深圳大学の留学関連 FAQ (非公式)
きのう書いた深圳大学の留学を紹介するエントリがあっという間にホットエントリ入りし、いろんな反響をいただいたので、わかる範囲で答えてみようと思う。時には自分の意見も入る。
※ 随時加筆します
語学だけのコース? 入学試験とかあるの?
元エントリでちゃんと触れてなかっただが、僕通っているのは「语言生」と呼ばれる、中国語が母国語でない人向けに中国語を教えるクラスだ。中国語の授業が週に20コマ (1コマ40分) で、高校卒業以上であり、申込と学費の支払いさえあれば基本的に通うことができるものだ。いわゆる単位はもらえない。
これは「語学留学制度」で、書類に間違いがなくて学費がきちんと払われれば、入学試験や合否判定などはなく、誰でもレベルに応じて受講できます。
— TAKASU@CES 2019 Las Vegas (@tks) December 24, 2018
審査がある本科生とは違い、定員もない。(希望者が多いクラスは増えていく)
夏には4週間などより短期のコースもあるよ。 https://t.co/HultZ2eYcE
それ以外に「学历生」とよばれる、入学試験があり、中国語以外の授業もあり、単位がもらえるクラスもある。
授業料は安い?
8800元は半期の値段であり、かつ授業は午前中のみなので「激安」というほどではないかもしれない。しかし外国語の民間教育と比べると
- 深圳大学: 40分×週20コマx16週=213時間20分, 672円/時間
- ECC外語学院: 80分x週1コマx4週=5時間20分, 3000円/時間
という感じになる。
もっと安く済ませたければSkypeを使ったオンラインレッスンや自学自習などもあり人それぞれであるので一概に言えない。
先生の授業はとてもおもしろく、個人的には深圳大学の料金に満足している。
他の都市のほうがいい?
北京でも上海でも大連でも、多くの大学が外国人向けの中国語クラスを持っていて、多くの日本人が通っている。好きな都市に行けばいいと思う。
WeChat Pay や Alipay はどこの都市でも普及しているけど、街の移り変わりの速さ、そして異郷の人を迎え入れてくれる雰囲気で言えば深圳がダントツである一方、歴史は浅い。
歴史が深くなると大学のクオリティもとても上がるので、もし語学以外にMBAや科学技術を学びたいのであれば、清華大学や浙江大学などの名門校に挑戦するのがよいだろう。
香港の大学も歴史があるので、お金に余裕があれば考えても良いだろう。香港中文大学では半年分の費用として
と目安が提示されており、深圳の2〜3倍かかると思ったほうがいい。
深圳は普通话を使う地域。タクシーの運転手や小さいレストランの店員は南方訛りがけっこうあるが、こちらが喋る普通话は通じるので問題ない。アーティストや学校の先生を目指すのではない限り、南方の訛りが中国語の習得上、大きな問題になることはなさそう。
北京に留学経験のあるこじらせ東大女子さんが紹介記事を書いているので、こちらもあわせてどうぞ。
基礎を学んでから行った方がいい?
語学アプリを入れて、少しでも基本的な単語を知っておくと助かる。あと辞書アプリもちゃんと買った方がいい。
以下は僕が iPhone に入れているアプリ。
正確な発音を心がけるのも重要だが、中国語は大きな声を出すことがとにかく重要。大きく口を動かし、息をたくさん吐かないと伝わらない言語なので、日頃からプレゼンなどで明瞭な発声をする習慣があるととても楽だ。
日本人の比率は?年齢層は?
僕がいる入門クラスでは日本人の比率が15%ほど。ちなみにいちばん多いのは韓国人で2割ほど。あとはロシア、インド、メキシコ、スウェーデン、スペインなど国際色豊か。
とはいえ漢字文化圏の生まれでないと中国語を深く学習するのは難しい。因って以て中級、高級とレベルがあがるに連れて日本人と韓国人の比率はさらに上がる傾向にある。
教室内はもちろん、駅への道や食堂などでも日本人に会うことは珍しくない、といった感じ。
年齢は交換留学で来ている現役生から40代まで様々。25-35歳ぐらいが多い。
中国で勉強することは大丈夫か?
- 治安: 体感的にはよさそう。大きなトラブルを路上で見かけたことはない。カバンをタクシーに忘れた友人が警察に向かったところ、警察官が防犯カメラの履歴をつぶさに調べて車両ナンバーを特定し、荷物を取り返してくれるのを手伝ってくれたし、なくした携帯電話が戻ってきた話も何度か聞いた。店員が席を外している間は客任せで QR コードのセルフ決済をさせている店もみかける。そのくらいには治安がよい。
- 食生活: 「慣れない食べ物で1週間ぐらいお腹を下す」みたいな話はよく聞くが、深刻な話はあまり聞かない (担ぎ込まれたとか食中毒とか)。火を通して食べないのは果物ぐらい。食文化の違いで欧米人が苦労しているのに比べ、出汁文化に白米文化と共通点が多い日本人は比較的馴染みやすい。深圳は移民の街なので、中国全土の料理を食べられるし、辛さが苦手な地域からの移民も多いので「まったく辛くない火鍋」とかもふつうに注文できる。
- 政治体制: 少なくとも語学の授業を受ける上ではまったく関係ないし、中国の友だちとの交流でも関係ない。国際情勢が好物の市民も多く、タクシーの運転手から「安部首相どうよ」などとよく聞かれる。そういうのはいかように答えても大丈夫だけど、自分の意見がない人に対しては、あまりよい目でみられない。
- 空気: マスクが必要だとおもったことは一度もないくらいにはきれい。電気自動車が多く、また緑地も多いので空気の状態は概ね良い。
- 交通: マナーが良くなったとはいえ、まだ自動車の運転は荒い人がけっこういるし、電動バイクは信号を守らない。道路が凸凹なこともあるので、歩きスマホは絶対やめたほうがいい。
衣食住や政治体制に対してリスクを感じたことはない。交通事故は今でも恐い。
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