澤田企画合同会社 2017年活動報告
年越し寸前となったが、備忘録と参照を兼ねて 2017 年の総括をば。
あんた誰?
この日記を書いている shao (澤田 翔) は、32 歳の技術者・連続起業家で、2008年にアトランティス (スマートフォン広告) の立ち上げに関わり、2011年にビットセラー (カメラアプリ) を立ち上げて KDDI に売却し、2017年よエンジニアリング・ITアドバイザリーを提供する、澤田企画合同会社を立ち上げた。社名に名字が入っていることからわかるように、私が代表と業務執行者を兼ねており、妻が後方を固めている体制の「家庭内企業」とでもいった風情である。
会社のテーマは
「テクノロジーと課題をつなげる」ことが弊社が提供する価値であると定義している。実社会に存在している大半の課題は、技術の組み合わせで解決できると信じている。ソフトウェアの開発や運用を通じて培った知見、中国をはじめとした世界のスマートシティの事例、決済システムや仮想通貨などのフィンテック (金融テクノロジー) などの専門分野を生かし、課題への技術的解決策を提供することを業としている。
「エコシステムの最大化」から収益を得る事業モデルを目指す
この1年注力した分野は「決済サービス」や「仮想通貨」に代表されるフィンテックである。一般的な業務委託の場合、これらの開発プロセスの一部または全部を引き受けるエンジニアリングサービスの提供にとどまることが多いが、弊社はプロダクトを取り巻くエコシステムの構築のお手伝いもさせて頂いている。具体的には世界中、とりわけ中国をはじめとしたアジア諸国の先進事例を紹介するとともに、関連したサービスを提供する各社、またそのデバイスやアプリケーションを作るための EMS やソフトハウスなど、フィンテックの事業や開発を迅速に進めるためのパートナーとの連携をプロデュースしている。
例えば、深圳で日本品質の EMS (電子機器の製造サービス) を提供しているジェネシス様は、スマートデバイスを「IoTサービスの構成要素」として安定的に供給されており、弊社でも度々紹介させて頂いている。
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)
- 作者: 藤岡淳一
- 出版社/メーカー: インプレスR&D
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また、将来的にエコシステムにおいて重要な役割を果たせそうな、ポテンシャルの高いベンチャー企業からご相談をいただくことがあり、そうした新しい会社や起業家に対し、技術面、戦略面でのアドバイザリーサービスを提供している。
こうしたパートナーを通じて、取引先の開発プロセスの改善につながるエコシステムの構築を目指している。
案件例1: paymo biz (QRコード決済サービス)
案件例2: SynCryp (現在はサービス終了)
2017年、注力したテクノロジー
Web ブラウザやアプリなどのプレゼンテーション層において、コンポーネント化が進んできたこともあり、サーバ側もコンポーネント化のトレンドが進んでいると実感している。特に今年は GKE (Google Kubernetes Services) を基盤とした micro services の導入にかかり、ドメイン設計から開発、デプロイ、運用までの一連の知見を蓄え、エンジニアリングサービスに生かしていった。
また、仮想通貨に関しては ICO (Initial Coin Offereing) 案件の引き合いが多く、 スマートコントラクトと呼ばれる Ethereum という仮想通貨ネットワーク上で動くプログラムの開発、また複数の仮想通貨取引所と接続したトレーディングシステムの設計などにも注力した。
SRE (Site Reliability Engineering) 、すなわちサービスの安定稼働を目標とするエンジニアリングサービスでは、障害を検知する機構に機械学習を取り入れた。
2018年に向けて
2018年は、仮想通貨の技術を基盤としたアプリケーションがより注目されると考えている。ボラティリティの高いコインはさておき、船積証券やデポジットなど「世の中に1つだけ存在することが保証されなくてはいけない」ものはたくさんあり、それらをブロックチェーンの基盤で構築することで安価にシステム化することができる。また、仮想通貨にせよ決済にせよ、そしてIoT全般にも言えることだが、システムのインタフェースとしてセキュアで安価なハードウェアの開発のニーズはさらに高まると見込んでいる。
来年は「仮想通貨アプリケーション」と「セキュアで安価なハードウェア」の開発技術を中心に研鑽を進め、皆様のご期待に応えられるように精進していく。
来たる年もどうぞご贔屓のほどお願いいたします。良いお年をお迎えください。