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株式会社ビットセラーの取締役を退任した

2015年10月31日をもって、私 shao1555 こと澤田はビットセラーの取締役を退任した。またビットセラーはnanapi, スケールアウトと合併し、11月1日より Supership 株式会社として新たなスタートを切った。Supershipでは役員ではないが、メンバーの一員として引き続き関わっていく。

株式会社スケールアウト、株式会社nanapiおよび株式会社ビットセラーの3社合併に関するお知らせ

創業から今日に至るまで

身の上話をする前に、私とビットセラーのこれまでをまとめておく。

ビットセラーは2011年に代表取締役(当時)の川村亮介氏とともに設立したスマートフォンサービスの会社。創業から吸収合併まで、「ビットセラーのはじまりからおわりまで」取締役として職務にあたってきた。

前職は株式会社アトランティスで広告配信システムのAdLantisの開発をサービス初期から担当し、2011年にはグリーに買収された。2011年はスマートフォンが本格的に立ち上がった年であったとともに、東日本大震災が発生し、津波で街ごと流されるという痛ましい出来事が深く心に刻まれる年となった。

スマートフォンでより多くの写真が撮られ、それが人々のかけがえのない思い出となる将来を見越し、「スマートフォンNo.1のカメラ」と「大切な写真をいつまでも管理・保管できるサービス」の2つを手がけるべく創業したのがビットセラーである。

Android のカメラアプリ FxCamera を開発した山下盛史氏がCTOとして参加し、FxCamera を事業展開するとともに、写真の保管サービスの開発にもあたったが、FxCamera は Instagramの勢いにおされて開発を終了し、また写真の保管サービスは採算の確保が困難であるなどの理由からリリースを断念した。

その後、KDDIに買収され Syn.構想 の一端を技術面で担うとともに、ランキングサービス Qrank (提供終了済) を新たに開発し、新たなサービスの可能性を探っていた。

このたび、Syn.構想をはじめ、KDDIの傘下が手がけるインターネット事業を盤石なものとすべく、nanapi、スケールアウト、ビットセラーの3社と合併しSupershipとして一歩を踏み出すこととなり、そのタイミングで私は取締役を退任することとなった。

うまくいかなかったけど死ななかった

創業から今日にいたるまで、当初描いていたゴールを達成することはできなかった。ありていにいえば「うまくいかなかった」ということになる。ビットセラーに期待を寄せてチームにジョインしてくれた社員・アルバイト・インターンの皆様、プロダクトを愛してくださったユーザーの皆様、経営陣の想いをチャンスに変えてくれた投資家の皆様をはじめ、ビットセラーを応援してくれたすべての方に感謝の意を表するとともに、期待に添えなかったことを率直に謝るほかない。

他方、吸収合併されるその日まで会社が存続できた、すなわち会社が潰れなかったことは非常に貴重な経験となった。ビットセラーがどんな苦境に陥ろうとも、我々のチーム、ユーザー、投資家をはじめ、多くの方がビットセラーのことを見捨てず、打開策を粘り強く考え、応援しつづけてくれた。そうした支えをもとに会社を守り切った経験は、次の窮地を自ら切り開くための鍵となるはずだ。

取締役として何ができたのか

チームのとりまとめやアウトプットの整理、適時の正しい決断など、取締役が果たすべき役割の多くで力不足であった。ただ、チームひとりひとりの視野を広げることには貢献できたのではないかと思っている。ビットセラーのチームメンバーはみな、各自の専門分野だけでなく、インターネットビジネス、エンジニアリング、デザイン、組織論、はては社会情勢や国際金融に至るまで、業務への直接的な関係の大小を問わず、実に幅広い分野に興味と関心を持ち、日々の行動や決断に生かしている。前節で触れた「会社が潰れなかった」理由のひとつでもあろう。この文化がチームひとりひとりの人生の充実に少しでも寄与できるのであれば、これほど嬉しいことはない。

次はなにをしたいか

スマートフォンが一通り行き渡り、ユーザーの可処分時間を十二分に食い尽くすに足りるコンテンツが揃った今日は、インターネット界隈のひとつの節目であると思っている。可処分時間を奪い合うビジネスは踊り場に来ているので、その外側、すなわち社会や産業、趣味や生活のステージで勝負したい。ただ、これまで手がけてきたインターネットビジネスの延長線上にこれらあるかというと、少し毛色が違う。勝負の仕方も大きく変わるはずだ。自分が向き合いたいテーマをこれから1年ぐらいかけて探していきたい。

次の仕事の仕方に「起業したい」「経営者になりたい」というこだわりがあるわけではなく、自分の役割が勝負する上で腑に落ちればそれでよい。なので、「Supershipをいずれ辞めて起業します」という判断は今はない。むしろ幸運なことに、SupershipはKDDIの子会社であり、携帯電話や情報通信での大きなシェアを足がかりに社会や産業、趣味や生活のステージへ踏み込めるポテンシャルを秘めている。

エキサイティングで勝負に適した環境を追い求める。それが自分の次のステージを選ぶときの判断軸だ。

今後に向けて

Supershipでは経営者でなくなり、裁量労働制が適用されるようになる。自分のパフォーマンスを高められるように仕事の時間をコントロールする責任を伴う。

前述の通り、自分の強みは視野の広さだと思っている。これを維持するためには、多くの人と会い、世界中を訪問し、見聞を広げ続けていく必要がある。そこにかける時間を確保するためにも、普段の仕事には最高の効率が必要になる。工夫の積み重ねで無駄を徹底的に省きつつ品質を維持し、次の目標を達成するために必要な時間をひねり出す。また身体的パフォーマンスも最大化するために運動時間を確保し健康的な生活を送る。こうした筋肉質な時間の使い方を会得するのが第一の目標だ。

アウトプットの不得手もこの1年で克服したい。しばらく放置してしまったサークル活動を再開し、稚拙ながらも技術書を次の冬コミに出すところから始めようと思う。

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この機会に面白い話はどんどん聞きにいきたい。あるいは自分の経験が何かの問題解決になるのであれば話にいきたい。さみしがり屋なのでメシのお誘いなど、お気軽に連絡をお待ちしております。

むすびに

創業から今日までの4年間、自由にやらせてもらうことができた。これもひとえに多くの方が支えてくれたことに他ならない。社員、役員、投資家、アルバイト、インターンをはじめ、ビットセラーを支えてくれた皆様、ビットセラーのプロダクトを愛用してくださった世界中の皆様、公私を問わず交流し励ましてくれた友人の皆様、会社を投げ出しそうになってもそっと後押ししてくれた最愛の妻、そのすべてに感謝の意をここに表するとともに、至らなかった点をお詫びさせていただきたい。

これからもよろしくお願いします。