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Supership株式会社を退職した

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2016年12月31日をもって、私 shao1555 こと澤田は Supership を退職した。前身となるビットセラーを川村氏と共同設立したのが2011年。最初の4年はビットセラーの経営者として、直近の1年はSupershipの従業員というかたちで5年ほど関わらせていただいた。

ビットセラーの設立から取締役を退任するまでについては以下のエントリを参照していただきたい。

Supershipという会社でやってきたこと

Supershipは、KDDIの出資により、アドテク企業のスケールアウト、ハウツーメディアなどを運営するnanapi、そしてビットセラーの3社が合併してできた企業だ。さらに今月 (2016年12月28日)、動画広告を手がけるアップベイダー、ECの接客プラットフォームを手がけるSocketもここに合併することが発表された。

多くの会社を一つの旗標のもとに集結させ、広告とメディアの両面をを広くおさえることで、インターネット領域で強い存在感を示しつつある。

そんな経緯でSupershipに多種多様なバックグラウンドのメンバーが集まっていることから、現場には様々な価値観や手法が入り交じっている。それらを掛け合わせることで業務が効率化することもあれば、時には軋轢を生むこともある。

僕はいちエンジニアとして実装の傍ら、各所のよいところを集めて開発プロセスの整理をしてきた。それに加え、テクノロジーを開発の現場以外、日々の煩雑な業務などにもあてはめ、社内の業務負荷を軽減する取り組みを推し進めた。

幸いなことに、Supershipは意思決定が速く、試行錯誤を繰り返していく中で業務効率を改善する施策を数多く打ち出すことができた。また、こうした取り組みは社内全体に広がりつつあり、多くの部署で業務負荷の低減に向けて取り組むようになった。

Makers for Workplace という考え方

ソフトウェアの開発においては、コンポーネント化とオープンソースコミュニティの興隆により、アリモノの部品を組み合わせることで機敏な開発プロセスを構築できるようになった。

インターネットインフラでは、Amazon Web Services に代表される IaaS により、高額なハードウェアの購入なしに、必要なリソースを即時に調達することができるようになった。

ハードウェアの領域では agile manufacuring や公板 / 公模 といわれる再利用可能なモジュールの流通が存在する (参考: 深圳のエコシステム) ことにより、多種多様なプロダクトが生まれ、イノベーションの源泉になっている。

ソフトウェア、ハードウェア、インターネットサービスに一貫して再利用可能な部品が大量に存在し、低いコストでシステムを構築できるようになったというのは非常に重要な変化である。こうしたコンポーネントを組み合わせ、ガレージからハードウェアを創り出す活動のことは「メイカームーブメント」と呼ばれている。

※ メイカームーブメントについて、 深圳観察会でお世話になった高須さんのスライド Maker Movement in Asia -Shenzhen, Singapore, ChengDu- がわかりやすいので紹介する

メイカーの原動力は「自分の生活をよりよく、より楽しくするための創造的活動」であり、大きな投資や専門知識を不要としたエコシステムの存在がこれを支えている。Supership では Slack の bot や IoT デバイス、Google スプレッドシートの自動化など、様々な DIY があちらこちらで行われていて、そのモチベーションは「自分たちの仕事をよりよく、より楽しくしたい」というものであった。それは、まさに職場で発生しているメイカームーブメントと言えるのではないだろうか。

次の挑戦: 社会のメイカーズを増やす

インターネットがパソコン通信より魅力的になったのも、スマートフォンガラケーを圧倒したのも、開発のための障壁が圧倒的に低くなり、成果を共有する仕組みがそこにあることから、作り手が身近な存在になったからだと思う。だから仕事のためのシステムもベンダーに発注するのではなく、自分たちでつくり、その成果を広く共有できるようになれば、圧倒的に楽しくて効率の良いものになると信じている。

Supership をはじめとしたエンジニアに恵まれた企業はRaspberry PiAmazon Dash ボタンでアクションを実行し、AWS で動作させ、G Suite (Google Apps) の社内ディレクトリを参照し、蓄積した過去のパターンをもとに TensorFlow が判断して Slack の bot と連携させるようなシステムを書けるが、世の中の多くの企業にとってはまだまだ敷居が高い話だと思う。

どんな (会社や役所などの) チームであっても、自らの手で仕事をハックし、その成果を広く社会に還元できるようにする。そのために必要なエコシステムを作るために、ここに Supership を飛び出して、新たな挑戦をはじめることとした。

具体的なプランについて

たいそうな話を書いてしまったが、今のところ「次にこれをやる」という具体的な内容は決まっていない。ノープランである。

向こう半年ぐらいかけて、次のアクションのために足元を固めていく所存である。前述の通り、再利用可能なモジュールはいくらでもあり、僅かなコストで挑戦することができる。まずは個人でできるところまで、プロトタイピングを進めていきたい。

幸いなことに、いくつかのお仕事もいただいており、こうした繋がりを最大限に活かし、計画をブラッシュアップしていきたい。

結びに

Supership ではチームメイトに恵まれ、幅広い仕事をやらせてもらったことで次の挑戦へのきっかけを得られた。今の会社では、僕の目指すステージ (自分の手で新たな挑戦をしたい) を実現することが難しいから退職することとしたが、とてもよいチームを抜けることとなり名残惜しさも否めない。ビットセラーから数えて5年余り、支えてくれたすべての方に感謝の念を表したい。

みんなが欲しがるような、そして自分が欲しくてたまらなくなるようなプロダクトづくりを目指し、来る年は全力で励んで行く所存である。

 

来年もよろしくお願いいたします。どうぞよいお年をお迎えください。

 

追伸: 次の仕事にむけて気になっているものをまとめました。ご覧いただけると幸いです。(最初の1時間、住所が正しく入ってなかったので直しました)

Amazon.co.jp: shaoのほしいものリスト

*1:ITエンジニアが退職エントリを書くときによく掲載される画像。ref: ssig33.com - この画像なんなの?  東亜飯店という店だが、現在は閉店してしまったようだ

僕の行動指針 - 楽しく生きるために苦労をいとわない

このエントリは 行動指針 Advent Calendar 2016 の 10日目です。

意識を高くして定めたものではなく、自分の欲望に忠実に生きようとしていく中で形成された指針なので、普遍的な高尚さはまったくありません。悪しからず。

楽しいことを選び続ける

僕は知的好奇心を満たすこと、ありていに言えば「新しい何か」に接することに楽しさを感じます。出会った瞬間にピークが訪れ、時間が経つにつれて色褪せていき、飽きて放り出してしまいます。モチベーションが下がる前に「次の楽しいこと」に関心を寄せるように意識しています。

次の冒険の準備をする

「楽しいこと」を貪欲に消費していく自分にとって、日常だけでは物足りなさを感じてしまいます。人と会う、新しい分野に挑戦する、日常以外のコミュニティと関わる、国内外に旅行する……そんな「冒険」をするためには、当然ながらまとまった時間、お金、体力が必要です。「仕事が忙しい」ことを理由に冒険から離れるのではなく、日々の生活の中で冒険に必要なリソースを確保できるように気を配っています。

楽しく生きるための苦労

「楽しい方」を選ぶ生活が楽しいか、と言われると必ずしもそうではありません。楽しさのために体力、気力、時間、お金を計画的に確保しつづけるための労力は惜しみません。裏を返せば、楽しい時間を過ごすために仕事をしています。

楽しさを分かち合う

願わくば、僕と一緒に仕事をする人も、「楽しさ」をモチベーションに仕事をしてほしいと思っています。そして仕事の受け手(お客さんなど)が製品から「楽しさ」を感じとってくれれば、これ以上幸せなことはありません。

 

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(写真は深圳のe-mobiliityをテーマにした店。皆が楽しく生きることに精一杯がんばっているこの街が好き)

まとめ

自分と周りの人が楽しいと感じられるような仕事にしか夢中になれないので、手持ちの「楽しい仕事」カードを切らさないよう、毎日がんばってます。

#NT金沢 でテスラの試乗会を開催しました

ニコニコ技術部による自主作品の展示会である「NT金沢2016」に関連し、金沢でテスラの試乗会を自主開催させていただきました。

もとはギーク向けに「テスラに試乗して感想をブログに書いてもらう」というルールで試乗会を開催していたのですが、今回は金沢にギークが集結するとのことで id:yumu19 さんに協力いただき、NT金沢にあわせて開催しました。

2日間で4回、16人にご参加いただいたのですが、実力派のギークばかりが集まったため、道中非常に濃い会話の連続で大変刺激的でした。

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今回、参加者の水野さんにより金沢市内の日産販売店と調整していただきテスラをリフトに載せて底部を観察する機会が設けられるなど、普段以上に濃い会となりました。(撮影: 水野さん)

みなさんの感想

参加してくださったみなさんに、感想のエントリをあげていただいております。(随時追加します)

くとのさん: テスラ Model Sに試乗させて頂きました – Imagination and Creation

Togetter にもまとめていただきました。

感想を書いてくださった方、ありがとうございます。いただいたエントリーは随時紹介させていただきますので、この機会に感想をアップしていただけると幸いです。

NT金沢、そして金沢の感想

体力配分が下手で、NT金沢本体を十分に見る時間をとれなかったのですが、ニコ技の「やってみたは正義」という出展者のオーラを強く感じる、刺激的な展示物が多かったです。特に骨格のやつすごい。

あと、金沢駅地下広場という、かなりパブリックな場所で開催されていたこともあり、家族連れなど地元の方がいらっしゃることが多かったのですが、電子工作のワークショップに参加したり展示物に積極的に触れたりと、あたらしいものへの興味関心が強い市民性を感じました。

観光の拠点としても、金沢駅前の交通案内が非常に優れていてはじめての人でも戸惑わない工夫がされているなど、非常に関心したのですが、そのへんは後日改めて見てみようと思います。

まとめとお知らせ

東京から600km近い道のりを経てNT金沢の会場に駆けつけたのですが、試乗会は定員一杯まで参加いただけ、また非常に強い関心を寄せてくださったことで、本当に行ってよかったなと感じております。都内を中心に引き続きギーク向けの試乗会を開催しますので、興味がある方はこちらのエントリを参考に、是非参加していただきたいです。

また、技術やガジェットをテーマにした創作活動をしている個人サークル「XD」にて、テスラの自動運転と体験会についてまとめた本をつくり、夏コミ (コミックマーケット90, 2016年8月14日 日曜日) に出そうと思います。

コミックマーケット90に当選しました - XD

鋭意制作中 (なのでコピー本だと思います) です。どうぞよろしくお願いします。

PSVRの体験で違和感を感じて眼科にいったら人生が変わった話

最新ガジェットに目がない筆者は、PSVRの予約開始日に量販店に並び初回販売分の予約をゲット。その足でPSVRの体験会に参加した。

追従性の高さは前評判通りで確かに酔わない。が、、、どうにもピントが合わない。筆者は左目と右目の視力が極端に違う「ガチャ目」なので、それが原因ではないだろうか。視力が悪い左目用にコンタクトレンズをつくってもらおうと、翌日眼科に足を運んだ。いきつけはなかったので、近所の眼科で設備が最新鋭っぽいところを Web で検索し「すがも眼科クリニック」に伺った。

眼科医に「VRで像がボケる」ことを告げたところ「視力と斜視の測定をしましょう」ということになった。

斜視とは,両眼の視線が正しく見る目標に向かわないものをいいます。外見上は片方の目が正しい方向を向いているのに,他の目が内側や外側,あるいは上下に向いている異常です。

目の事典・斜視

会社や免許センターで見るような測定機器とは一線を画した数々の装置で、眼球の位置や視線の方向、光源や残像がどう見えるかを調べる。また、いろんな種類のレンズをあてはめ、みやすさに違いがないかを調べる。

左目が近視なだけだと思っていた自分だったが、医師の診断結果は

  • 強い外斜視
  • 乱視
  • 左目の近視
  • 右目の遠視

と、実に4つの事象があることがわかった。その場でいくつものレンズを組換えながらテストしてもらい、適切なレンズの処方箋を出してもらった。

地元にある、(チェーン店ではない) 比較的歴史が長そうなメガネ屋に行き、メガネをつくってもらった。外斜視の補正や乱視に用いるレンズは特殊なので、手に入れるまで1週間かかった。

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こちらが仕上がったメガネ。レンズの鼻に近い部分が大きく盛り上がっていることがわかるだろうか。これは「プリズムレンズ」と言うもので、斜視でずれた目に像を届けるため、光を屈折させるプリズムが内蔵されたレンズ。今の技術ではコンタクトにはできない。

筆者はかなり強い外斜視なので、プリズムレンズのレベルを相当上げないといけないが、一気に高いレベルのものを装用すると日常生活に支障が出てしまう。なので、均しながらレンズを繰り返し作り直し、プリズムレンズのレベルを上げていく必要があるそうだ。

装用してみて

つけた瞬間、すべてのものが立体的に見えるようになった。指先から地面の凸凹に至るまで、クッキリと立体感を感じられるようになった。

今までずっと立体感を感じてなかったということになるが、そもそも立体感を会得したことがなかったため、立体感とは影の濃淡や像の大小で区別するものだと思い込んでいた。

おかげで、人とすれ違うときにフェイントのかけあいみたいになることもなくなったし、部屋を出入りするときにドアに体をぶつけることもなくなった。キャッチボールは苦手で大抵取り逃していたが、メガネをかけると軌跡がわかるようになった。

正しく設計されたメガネひとつで、視界から得る情報がこんなにも変わるものかと驚きを隠せない。

VRとの相性

PSVRは手元にないので、代わりに Gear VR で試してみた。

Gear VR でもピントが合わずに苦労していたが、プリズムレンズのメガネをかけたところ、ボケはほぼ解消し、立体感をしっかり得ることができた。(Gear VR の解像度は低いので、それがボケ感かもしれない)

VR目的でメガネを買うのであれば、フレームは小ぶりのものがよいだろう。 Oculusは推奨サイズの情報を出していて「幅142mm、高さ50mm」以内がひとつの目安と言える。

What size glasses fit in the headset? | Oculusサポートセンター

仮に外斜視の場合、プリズムレンズの矯正に数ヶ月かかることがある。PSVRの発売日の10月に間に合わせたければ、できる限りはやい段階からとりかかるとよいだろう。

まとめ

これまで外斜視があっても生活に不自由を感じたことがなく症状を発見することができなかったが、PSVRをきっかけに眼科にいくことで自分の眼の状況を的確に知ることができた。これにより正しいメガネを手に入れることができ、生活が大きく向上した。その変貌ぶりは大げさではなく「人生が変わった」と言えるほどだ。

今後、テーマパークのアトラクションなど日常生活でVRと接する機会が増えることが予想される。VRとうまく付き合うためには、以下のことを意識するとよいだろう。

  • VRに違和感を感じたら自己判断をせず、ちゃんとした眼科にいく
  • メガネやコンタクトは、メガネ屋の簡易的な検査機でつくるのではなく、眼科医に処方してもらう
  • メガネの有無に関わらず、VRが身体に与える影響は人それぞれなので、違和感や疲れを感じたらすぐにやめる

眼科医の先生方におかれても、VRについての知見を持っていただき、適切な診察を受けられるように準備をしていただければ幸いである。(本エントリーの執筆時点では、VRに詳しい眼科医を調べようとしたが情報がまったく出てこなかった)

PSVRがきっかけで外斜視がわかったというのも妙な話だが、外斜視は1-2%ほどのひとが持っていると言われているので、これを機に外斜視の人が適切なメガネを装用する機会が広がることを祈っている。

おことわり

本エントリーは医療情報の提供を目的とするものではなく、また特定の治療方法を推奨するものではない。

テスラ試乗会はじめました

次世代のモビリティに惹かれ、テスラ (TESLA Model S) を買って1年。

数回のオンラインアップデートを経て、ついに自動運転までできるようになったものの、その面白さや意義について、これまで発信しきれてなかった部分が多かった。

そんな中、ニコ技深圳観察会に参加させていただいたとき、主宰の高須さんに「テスラに興味のある人に、どんどん乗ってもらってブログを書いてもらえばいいんじゃない?」と言われた。なるほど、これはいいアイデアだ。より多くの人がその手で体験し、インターネット上で感想をシェアする。みんなの力を合わせることで、ひとりでは為しえない、大変有意義なものになるに違いない。(ニコ技深圳観察会もそのルールで進められている)

ここに、ギークのためのテスラ試乗イベント "TESLA TEST DRIVE for GEEK" を開催することとした。

 

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概要

  • テスラに乗って、モビリティの将来像に思いを馳せる
  • 自己責任、手弁当 (無償) で行うため、諸経費 (交通費、自動車保険) は自己負担
  • 各自、感想をブログなどでシェアする

今後の開催予定、参加希望など

今後の開催も計画している (無理のない範囲でできる限り開催したい)。興味がある方は TESLA TEST DRIVE for GEEKFacebook グループへお願いします。

https://www.facebook.com/groups/492185077637158/

開催履歴とブログへのリンク

参加いただきました皆様ありがとうございます。寄せていただいたブログはこちらよりご覧いただけます。(随時更新)

2016/07/16 - 07/17

NT金沢という、ニコニコ技術部による自主作品の展示会があったので、テスラを金沢に持っていってみた。16人もの方に試乗してもらった。詳細は別エントリーを参照いただきたい。

2016/06/11

常磐道を抜けて筑波大学へ。高須さんが持ってきてくださった nine bot mini に大興奮。

チームラボ 高須さん

深圳視察会の主宰であり、今回のきっかけをつくってくださった高須さん。nine bot mini を持ってきて道中でモビリティの未来とデザインについて非常に熱く語ってくださいました。

okkakii さん

飛行機でかけつけてくださった、某Webサービスの管理人さん。自動運転の挙動とテスラのギミックに強い関心をもっておられました。

東工大 長谷川晶一さん

テスラの自動運転に対する設計思想など、深い考察をいただきました。また、つくばでは江渡さんを誘っていただき、さらに充実した時間を過ごせました。

ニコニコ学会β / 産総研 江渡浩一郎さん

目的地のつくばで急きょお声がけしたところ、快諾していただき飛び込み参加いただきました。今回は保険の手配が間に合わずに同乗体験となってしまいましたが、テスラとnine bot に強い興味を持っておられます。今度は運転体験でお越しください。

2016/06/05

はじめての試乗会。中央防波堤、羽田空港大黒ふ頭をまわるコースで開催。

リコー・つくる〜む 井内さん

リコーの社内に「つくる〜む」というFabLabのようなスペースを立ち上げられた方。書籍「メイカーズのエコシステム」に寄稿されています。

レポートを上げてくださいました。その後、電気自動車に興味を持たれ、BMW i3 も試乗に行かれたとのこと。電気自動車が広がるといいですね!

TESLA Model S 体験してみた - Euclides Lab.

LYNX 堀内さん

深圳に足繁く通われている「深圳通」で、先日の深圳ツアーでも大変お世話になったお方。今はマニュアル車に乗られているとのことですが、それでも魅力的に映ったとのことです。

タクジさん

遠く沖縄から体験にいらっしゃったパワフルなお方。テスラのスマートなパッケージングに関心を寄せておりました。

むすびに

自分はブログにまとめるのが下手なので、こうして参加いただいたみなさんのレポートがあがるのは非常に楽しく、また刺激的である。

今後もできる限り多くの人に体験してもらい感想を広めていただきたいが、1回の試乗会で3〜4人程度しか体験できないのが難点。それでも可能な限り開催したいと思うので、興味があってブログ等をお持ちの方は Facebook グループに参加 し手を上げていただけたら幸いである。お待ちしております。

中国 深圳に行くためのモバイル環境 (スマホ/SIM) の準備まとめ

※2016/07/03更新済 (Nexus 5X在庫状況、huawei P9、中国移動香港の利用者登録の話を追記)

世界の工場、フィンテックそしてスマートシティの先駆けとして盛り上がりを見せる深圳 (深セン) 。GFWに邪魔されず、深圳で快適なモバイル環境を実現するために「用意すべきスマホ」「プリペイドSIMの買い方」をまとめた。

(深圳にハマった経緯は以下のエントリ参照) shao.hateblo.jp

結論から書くと以下の通りである。

スマートフォンの用意

iPhone の場合

日本で販売されている iPhone 6 / 6s / SE は、中国の電波を受けられるようになっている。ただし、 NTTドコモauソフトバンク (以下、国内キャリア) で購入した iPhoneSIMロックがかかっているため、これを解除する必要がある。

国内キャリア版 iPhone 6SIMロックを解除できないので、諦めて後述の「Android を買う」のセクションをみてほしい。

iPhone 6s / SE で、購入後半年経過した場合は SIM ロックの解除ができる(無料)。解除は以下のページで行う。

なお、Apple StoreSIMフリー版の iPhone 6 / 6s / SE を購入した場合は特に手続きをせずに海外のSIMを利用できる。

Android の場合

日本国内のキャリアで販売されている Android は、中国の電波を受けられる仕様になってないことが多い。正確には

  • 電話や SMS は使える
  • データ通信 (パケット) はつながっても、極めて遅い (4Gはおろか、3Gですら繋がらず、0.1Mbps程度の「超ノロノロ通信」になる)

という状況になることがほとんどだ。中国で使える機種は以下にまとめているが、「Nexus 5X/6P か honor 6 Plus を通販で買う」か「中国現地で Xiaomi を買う」がオススメとなる。

中国で使える SIM フリー端末 - Google Sheets

(4/30 追記) キャリア版の Nexus5X/6P および、ドコモで最近発売された一部の Android についても中国移動のLTE (TD-LTE) に対応している。

www.nttdocomo.co.jp

(SIMロック解除の手続きが必要であり、上記リストに含まれる機種で Galaxy Note Edge / S6 / S6 Edge 以外は購入後 180 日経過時点より SIM ロック解除が可能となる)

Nexus 5X / 6P

Google ブランドで販売されているスマートフォンGoogle ストア で購入することもできるが、EXPANSYS や 1shopmobile などの海外通販サイトから購入した方が安い。

中国で使われている LTE の周波数は3つあるが、そのうち2つに対応している。概ね問題ないとおもう。

LG電子 docomo Nexus 5X LG-H791 32GB CARBON

1shopmobile で扱っているのは「グローバル版」であるが、「香港版」というものも存在する。「香港版」は「グローバル版」と対応する周波数 (通信方式) が異なる。中国や香港で使う分には差はないが、香港版は日本や台湾などの一部の電波を掴むことができず、グローバル版に比べて通信速度が遅くなったり電波の入りが悪くなる可能性がある。

ASUS (ZenFone)

こちらは ZenFone 2 Laser (ZE601KL) で値段は 4 万円ほど。中国の LTE で使われている 3 つの周波数すべてに対応しているだけでなく、日本国内や台湾など各国の周波数帯も幅広く対応している。少々高いのと、6インチ/190g と巨大 (iPhone 6 Plus が 5.5インチ/172g なので、それより大きい) なのが難点だが、アマゾンやヨドバシカメラで販売されており、安心してアフターサービスを受けられる点、また出発が間際であっても入手できる可能性が高いのがよい。

ZenFone Zoom (ZX551ML) はお値段 5 万円ほど。こちらも中国および日本、台湾、香港などの各国の周波数帯に対応している。5.5インチ/185g と、ZenFone 2 Laser よりやや小ぶりだが、それでも2台目として持ち歩くには厳しい。

なお、これ以外に日本で売られている ZenFone シリーズは中国の周波数帯に対応してないので注意してほしい。

HUAWEI

honor 6 Plus が 3 〜 4 万円程度で買える。楽天モバイルがセールをしていることが多く 3万円以下で買えることもある。中国、日本、香港などの周波数帯には対応しているが、台湾では使える周波数帯が限られている。5.5インチ/165g で、なんとかなる大きさ。

P8max は 5 万円ぐらい。こちらは 6.8インチ/228g と、まさにファブレット。ここまで来ると、飛行機内で動画や電子書籍をみるなどの用途を踏まえて購入するのもアリだと思う。

LEICAの技術でとてもイケている写真が撮れる P9 も中国、日本、香港、台湾などの周波数帯に対応している。5.2インチ/144gと比較的軽量級の端末だが、実売は6万円程度でちょっと覚悟がいる値段。

これ以外の日本で売られている HUAWEI ブランドのスマートフォンでは中国の周波数帯への対応が確認できてない。

Xiaomi

世界初 4G+3G 機の Xiaomi シャオミ Mi5 Snapdragon 820 1.8 GHz 32GB 3GB RAM [並行輸入品]

中国シャオミのMi 5。5.1インチ/129gと軽量で、値段も 1999元 (3万円台前半) で買える。中国や香港の周波数帯への対応はバッチリなので、現地調達が間に合わないならばお土産がてら、深圳で端末ごと購入してしまうのもアリだと思う。

SIM の用意

SIM は香港のものを手に入れておきたい。中国移動香港 (CMHK) が売っている「4G/3G 香港/中国デュアルナンバープリペイドSIM」がおすすめ。

【中国移動香港】4G/3G 香港/中国デュアルナンバープリペイドSIM$120 [並行輸入品]

  • 販売価格: 120HKD (残高 60HKD つき)
  • 香港/中国大陸データパック 118HKD/1GB or 198HKD/2GB (有効期限30日)
  • トータルコストでは 1GB つかう場合 2500 円、2GB つかう場合は 3600 円ぐらいになる。

この SIM は香港と中国大陸のどちらでもデータパックを利用でき、かつ中国大陸でも香港経由の通信となるため GFW (金盾) の影響をうけずに TwitterGoogle を使うことができる。 また、中国の電話番号を入手することができるため、アクティベーションに中国の電話番号でのSMS認証が必要なサービスを使うこともできる。

(2016/07/03 追記)

2016/05/20 以降、利用者登録をしていないと中国番号での電話発着信ができなくなってしまった。登録には居住証明必要で日本人にとってハードルが高い。データ通信については今のところ可能。

www.hkyamane.com

今後は「データのみ」と割り切って 「10日間1.5GBデータSIM」を買うほうがよい。

購入方法

香港国際空港 (ターミナル1の到着階) で購入することができる。深圳にも空港があるが、日本からの便が少ないことから香港から深圳にいくようにし、香港入国後のタイミングで中国移動香港の SIM を購入するとよいだろう。

店員に "prepaid SIM for hong kong and china mainland, voice and data, 1GB" と伝えながら、スマホを店員に渡せば使えるようにしてくれるところまでやってくれる。(クレジットカードで払えるので香港ドル現金の用意は不要) 店員に渡すとき、スマホを英語か繁体中文に設定し、QWERTYキーボードを出しておくとよい。

香港国際空港での入手ができないケース (売り切れとか営業時間外) に備え、事前にアマゾンで買っておくのもひとつの手。(ちょっと高い)

中国聯通香港 (China Unicom Hong Kong) の SIM

筆者は試していないが、中国向け周波数に対応していない Android でも 中国聯通香港 (China Unicom Hong Kong) の SIM を使うことで通信できる可能性がある。

この SIM は中国本土と香港で1GBの通信が「3Gで」できる SIM となっている。(4G や LTE には対応していない) ドコモやソフトバンクスマホが対応している周波数帯が、中国聯通の周波数帯と一部被っているため、使うことができると思われる。

なお香港国際空港ではこのSIMを見かけたことがないので、中国用スマホを持ってない場合は事前に Amazon で買っておくとよいだろう。

よくある質問

まとめ

ニコ技深圳観察会(2016/04)参加レポート: 「モノづくり」から「暮らしづくり」に進む深圳

2016年4月12日〜16日に、中国 深圳市(シンセン市) の見学ツアーにいってきた。

このツアーはチームラボの高須さんが主催され、深圳のメイカーズ(ハードウェアスタートアップのムーブメント)の最前線を体感すべく、工場、ベンチャー企業、支援会社、VC、そして華強北(ファーチャンペイ)の電気街などを巡るというもの。

私はもともとWeb界隈のスタートアップをいくつかやってきた身であり、ハードウェアに関しては門外漢ではあるが、ガジェットや携帯電話が好物であること、今後のインターネットサービスを考える上でスマホやPC画面上でのインタラクションには限界があると感じ、ハードウェアスタートアップのエコシステムについて強い興味を持っていることから、今回のイベントに参加させていただいた。
毎日の出来事を時系列に沿ってすべて紹介すると分量が極めて多くなるので、総括的な部分を中心に取り上げていく。

ハードウェアのアジャイルな開発を実現するエコシステム

Kickstarter や Indiegogo をはじめとする「クラウドファンディングサイト」では、日々新たなハードウェアの計画が発表され、バッカー (支援者) を募っている。物理的なアウトプットを伴わないアプリやサイトならともかく、カスタマイズの域を超えた「ハードウェアスタートアップ」のプロダクトが成立する所以は、ここ深圳にあった。

ツアー初日に訪問した Seeed Studio は、ハードウェアスタートアップに対し、プロトタイピングから試作、大量生産まで一貫したサービスを提供する企業で、ここを利用することでプロトタイピングに必要な開発効率の良いハードウェア (モジュール化されたスイッチやセンサーなど) から、量産に必要な部材カタログ、提携工場とのコネクションなどに至るまでワンストップで賄うことができる。

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古めかしい中国の工場や事務所の雰囲気はなく、まるでシリコンバレーのイケてるベンチャーのような風情。そこかしこに英語で書かれたポスターが貼られ「agile manufactureing」というスローガンが掲げられている。

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HAX は、シリコンバレー発祥の「ハードウェアアクセラレータ」、つまりハードウェア関連の企業に出資と技術支援をする見返りに、当該企業の一定の株を保有する。深圳にオフィスを構えることで、スタートアップが現地で働き,スムーズに量産化できるように支援している。また、Kickstarterとの太いパイプを持っているのが彼らである。

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深圳は中国の南部、香港の対岸に位置し、中国の経済政策において「改革開放経済の特区」として外国投資を誘致。アップルやソニー任天堂などから製造を受託する「OEM」、そして製造に加えて設計開発プロセスを含めてまるごと受託する「ODM」が隆盛をほこった。深圳に集積された設計開発製造の技術をスタートアップが利用できるエコシステムへと昇華させているのが、 Seed Studio や HAX といった企業によるサービスである。 

イノベーションを生み出さないと生き残れない

アマゾンで iPhone の USB 充電器や MacBook の AC アダプタを買おうとすると、あまりに似た製品がたくさん出てきて困惑したことはないだろうか。あるいは「中身は Android の偽 iPhone」や「謎のブランドの Bluetooth スピーカー」とかを秋葉原で見たことがある人もいると思う。こうしたものは「山寨」(シャンザイ) と言われるもので、流行のプロダクトをいち早く真似して市場に安価で送り出すモデルである。これも深圳では主流で、華強北 (ファーチャンペイ) という現地の電気街では、スマートウォッチやアクションカメラ (Go Pro のようなもの) の山寨は何百もの店が取り扱っている。

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こうした店は未だ多いものの、淘汰と転換がじわじわと進んでいる。深圳で働く工場員の給料は10年で2〜3倍へと膨れあがったことでコストが増大し、また中国政府も最近は知財保護を進めているため、あからさまな海賊版商品やマジコン (家庭用ゲーム機のソフトウェアを、正規の流通以外で入手して実行ことができるハードウェア) を扱う店は激減し、また空き店舗もかなり多くなっていた。イノベーションがなく模倣のみで成立する山寨は淘汰が進んでいくと思われる。

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 このような中、これまで電子部品と山寨の中心地であった華強北を「創家」すなわち「メイカーズ」の中心地に変えていくことで生き残りを図る動きがでてきている。華強北で最も歴史のあるパーツショップビルである "セグショッピングモール" の一角には、ビルオーナーが "Seg Maker+" というハードウェアスタートアップの拠点をつくり、メイカーズの取り込みに力をいれている。(FabLab とよばれるハードウェアプロトタイプに必要な機器類が自由に使える拠点で、秋葉原の DMM.make AKIBA に近いイメージ)

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また、深圳市も "Shenzhen Open Innovation Lab" という FabLab を立ちあげている。このように環境が揃っているとはいえ、メイカーズが溢れんばかりに殺到しているかというと、そうもいかないのが実情であり、「山寨からメイカーズへ」と銘打った活動を隅々まで行き渡らせるのには大分時間がかかりそうだ。 

教育により拡大するエコシステム

メイカーズのエコシステムを拡大させるもうひとつの取り組みが「教育」だ。先にとりあげた Seeed Studio は、Grove というキットを販売していて、これはセンサーやモーターからなるハードウェアを、ハンダごてやプログラミングの知識なしに組み立てられる初等教育向けのキットであり、実際に小学生がつくった「タッチすると動くクルマ」が展示されていた。

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MakeBlock はオープンソース版「レゴ Mindstorm」で、ロボティクスに必要な部品をキットにして販売しており、こちらもハンダごてやプログラミングの知識なしにロボットをつくることができる。(ケーブルはLANケーブルのような「モジュラー」で接続できる) オープンソースゆえ、MakeBlockと互換性のある部品が各社から発売されており、教育やプロトタイピングの領域が急速に広がっている。

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このように、メイカーズの卵を育てるための「ハードウェア制作キット」のビジネスを手がけるプレーヤーは多く、こうした教材はシンガポールの教育プログラムにも取り入れられている。

「便利になるならやってしまおう」の精神

このように山寨イノベーションの狭間をさまよう深圳の電気街であるが、街に目をむけると日本では思いも寄らないようなプロダクトに溢れている。
街中の至る所に QR コードが貼り付けられ、そのハブとなっているのは WeChat (微信) だ。WeChat は LINE のようなチャット機能が原点だが、WeChat 内蔵の QR コードリーダーで街中の QR コードをかざすことにより、ありとあらゆるサービスにつながるようになっている。
ランチで立ち寄ったレストランには「免費WiFi」(免費=無料) の文字が添えられた QR コードがある。これを WeChat で読み取ることで、店の無料 WiFi に接続されるとともに、その店の公式アカウント (LINE@のようなもの) からお知らせが来るようになり、自然に O2O が実現している。

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もっと強力なのは WeChat Payment (微信支付) とよばれる決済サービスだ。WeChat に銀行口座を予め登録させておくことにより、WeChat で QR コードを読み取ったり生成するだけで、店の決済から個人間の送金、オンラインショッピングや、病院の予約、さらには電気・水道などの公共料金支払から税金の納付まで、すべて行うことができる。

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店頭に設置された専用のハードウェアがワンタイム QR コードを表示してくれるので、それを読み取るだけで支払が完了する。また、コインロッカーや深圳通(Suicaのような交通機関のプリペイドカード) のチャージ機にも QR コードが表示されるので,同様にWeChat アプリで読み取るだけで決済ができる。

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(Photos by ino iku
 
WeChat 以外のプレイヤーも便利を先取りしようと懸命だ。「徒歩よりも楽に、車より気軽に」移動するため、パーソナルモビリティのあらゆるプロダクトが先行して市場に並んでいる。自転車にバッテリーとモーターをつけた「電動車」は、日本でみかけるアシスト付き自転車とは異なり、ペダルを漕がなくても電気の力だけで移動することができる。また、ホバーボードは握り部分のないセグウェイのような乗り物で、足のバランスだけで歩道をスイスイと走行することができる。

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こうした乗り物が法的にどのような規制を受けているか不明だし、無音で背後から迫ってくることから何度となく恐怖感を憶えたが、「快適な移動」という面では明らかにイノベーティブであると評価したい。
ルールの前にプロダクトアウトを急ぐその姿は、いささか雑であると思わざるを得ないが、イノベーションのハードルが日本に比べて格段に低いのは事実である。同じ中国でも上海はここまで極端に進んでいなかった。深圳のエコシステムが社会に強く働きかけている証左と言えよう。

まとめ: 「電化製品の下請け」「モノづくりのエコシステム」そして「暮らしづくりへのあくなき挑戦」 

電化製品やゲーム機の下請けから立ち上がった街、深圳。製造や設計開発の下請けにより力をつけた工場やエンジニアは、その経験をもとに「モノづくりのエコシステム」すなわちメイカーズに代表されるハードウェアスタートアップに対し、高速なプロトタイプから製品化を一貫して引き受けられるサービスへと姿を変えていた。スマートデバイスの企画から製造販売、さらに資本政策に至るまで、そのすべてが深圳に集まっている。
世界から「エッジの立った人材」が集まったことで起きている次のムーブメントが「生活のすべてをテクノロジーで楽にしよう」という試み、すなわち「暮らしづくり」である。スマートシティと呼んでも差し支えない。深圳にある露店のおばちゃんから役所に至るまで、WeChat Payment で決済をし、街中には他の都市では見られないパーソナルモビリティに溢れ、病院はbotによるセルフカウンセリング、予約から医者のレーティングまですべてスマートフォンで完結するようになっている。深圳という一地域に、多様なバックグランドを持つエンジニアや起業家が集結したことで、さまざまなイノベーションが都市を舞台に生まれようとしている。
 
山寨のエコシステムから抜け出せてない「古い深圳」はいずれ淘汰される。とりあえずWiFiBluetoothを積んだだけの「ガジェット」づくりもいずれ限界が来る。深圳が誇るアジャイルな工場、シードアクセラレータ、ソフトウェア企業、投資家、そして人材が次に狙っているテーマは「暮らしづくり」であり、人々の暮らしを変えるプロダクトを生み出す中心地となるであろう。日本はおろか、シリコンバレーですら追いつけない「イノベーションの源泉」がここ深圳にあると確信した。

あとがきに代えて

もともと、深圳のハードウェアスタートアップをとりまくエコシステムを見に行くつもりで参加したツアーであったが、深圳はハードウェアの枠を超えた「スマートシティ」への取り組みに大変刺激を受けることとなった。ツアーの趣旨から外れてしまい、参加した皆様にはご迷惑をおかけしてしまったかもしれない。ここにお詫びさせていただきたい。
今回参加するきっかけとなった、高須さんをはじめとした深圳観察会メンバーによる著書「メイカーズのエコシステム」は、深圳のモノづくりのエコシステムとそれをとりまく教育、行政、産業などを幅広く的確に書かれており、大変参考になった。このエントリーで深圳に興味を持たれた方がいらっしゃれば、是非お読みいただきたい。

また、中国のインターネットについては山谷さんの「中国のインターネット史 ワールドワイドからの独立」が良くまとまっている。こちらも合わせて取り上げる。

ここに書き切れないほどの濃密なツアー (今回いったところをすべて取り上げると、この記事は5倍以上の長さになる) を企画してくださった高須さん、WeChat Payment を体験する機会をつくってくださった堀内さんをはじめ、今回ご一緒させていただいた皆様ならびに見学を受け入れてくださった各所の関係者の皆様、本当にありがとうございました。