iPhoneの料金プラン比較で考える世界各国の携帯料金体系のまとめ
iPhoneの料金プランが発表され、「2年で20万円ですね、高い」みたいな声があがるとともに、「他の国と比べてどうなのか」という疑問もちらほらみられるようになりました。
Infinite Loopがまとめた各国のiPhone 3Gの料金表がApple LinkageやiPod FAN(仮)などに貼り付けられてますが、実は日本と他の国の携帯の料金プランを比較するためにはいくつかの前提知識が必要になりそうですので今日はその辺のお話を。
- iPhone 3G prices and plans for 21 countries (updated 3) | Ars Technica
- APPLE LINKAGE - 「iPhone 3G」を発売する世界20カ国の価格&料金プランの比較
- iPhone+iPad FAN (^_^)v: 日本は高いか?安いか? 世界各国のiPhone料金プラン比較。
基本
日本とだいたい同じで、
- 基本料金
- データ定額 (iPhoneの場合は基本料金とセットになっていることがほとんど)
- 従量課金の通話料金やデータ料金(使い放題じゃない国が多い)
が請求に乗っていきます。
本体に関してはスーパーボーナス制度のようなものを導入している国はなく、多くの国では契約期間以内での解約に対して違約金をもうけているようです。 香港の3HKのように、数万円預かり金をとり2年後に返すというかたちをとる会社もあるようです。
日本以外では当たり前の"Air Time"制度
例えばソフトバンクのホワイトプランは"21円/30秒"という料金が設定されています。これは発信時に発信者が負担する金額で、着信時には特段の課金が発生しません。
ところが、日本以外のほとんどの国ではAir Timeといって、発信でも着信でも課金が発生します。電話がかかってきて10分電話したとすれば、発信者だけでなく着信者にも10分間の電話料金が請求されるのです。例えばAT&Tの450分というのは発着信あわせてですので、発着信比率が1:1であれば日本風に言えば実質225分の無料通話がついてくると考えてしまいましょう。日本で言えばプランMとプランLの間ぐらいです。
"Air Time"制の場合は発信者は対固定回線か対携帯回線かを料金面で意識する必要がない
日本の場合、固定回線やIP電話から発信する際に固定回線宛にくらべ携帯回線宛のほうが通話単価が高く設定されています。しかし、多くの国では携帯にかけた場合は着信者からAir Timeの料金をとることができるため、固定回線側は携帯にかけるからといって高い料金を請求されることがありません。つまり対固定でも対携帯でも固定電話の発信者が払う通話料単価は同一ですので、Skypeなどで対固定、対携帯の区別なくSkype Outで発信ができるわけです。
ホワイトプランのような定額通話はないの?
例えばドイツの T-Mobile、アメリカのAT&T などの料金プランにはけっこうついていたりします。ただ、ホワイトプランが夜間を定額の除外にしているのと対照的に"週末"と"夜間"に限定した通話し放題になっています。このへんはビジネスカスタマーがトラフィックの中心である世界的な事情に即しているみたいですね。
データが無制限の国が少ないですね
3Gのネットワークの整備がまだおいついてなく、トラフィックコントロールの観点から定額化に踏み切れないキャリアが多いからと思われます。3Gの整備が進んでいるイギリスやドイツは定額に対応しています。
SMSの送信料金がパックされていますけど?
日本のSMSはショートメールやスカイメールの延長線上に位置するもので、基本的に自社端末同士で短文をやりとりする機能と思われがちですが、世界的にはSMSは共通規格と位置づけられていて、基本的にキャリアに関係なく送受信できます。Eメールの送受信できる携帯が世界的にはまだメジャーでないこともふまえ(日本みたいにキャリアがeメールのアドレスを配っているところがそもそも少ない)、携帯間のメッセージ交換はEメールではなくSMSが使われることが多いです。したがって世界的にはSMSは重要な収益源と位置づけられていて、パック+従量課金であったり、SMSの定額オプションを用意するなどしていることが多いです。
S!ベーシックパックみたいなやつはあるの?
他の国ではみたことがありません。たぶん日本独特なものなのでしょう。