第8回 ニコ技深圳観察会 (Shenzhen High Tour) 参加に向けて
Makerイベント大好きおじさんこと、高須さんが立ち上げたニコ技深圳観察会の季節がやってくる。
深圳という世界で最もエキサイティング (だと思っている) 街を知るきっかけとなったのは 2016年4月に開催された同イベントの第4回に参加したこと。それから毎月のように海外に出かけ様々な街をみてきたが、ニコ技深圳観察会は参加者の熱量の高さとアウトプットの高さで期待値がずば抜けて高く、特別なものと言えよう。
今回の観察会に是非エントリさせていただきたい。
あなた誰?
shao こと、澤田翔。大学在学中からエンジニアとしてITベンチャーの立ち上げを何度か経験し、現在はフリーランスとして、立ち上げ期のITベンチャーへのエンジニアサービスとITアドバイザリーを提供している。最近では IoT や仮想通貨、AI などの領域での仕事を多くいただいている。
また、モバイル通信や決済サービスが好きで (関連の仕事もしている) 、中国の SIM 事情や WeChat Pay (微信支付) について、それなりに知識がある。
仮想通貨やブロックチェーンについても、投機的な側面ではなく「社会に取り入れるとどういう問題解決ができるか」といった研究を主にしている。
ハードウェア製造現場としての深圳
- "ハードウェアのシリコンバレー深圳に学ぶ" を読んで
今回の観察会でも工場をはじめ、ハードウェアの製造現場を多く見学させていただくことになるであろう。その中でも、観察会では毎回訪れているジェネシスの藤岡さんとは、仕事の相談をはじめ、公私にわたりお世話になっている。その藤岡さんによる著書で、深圳におけるハードウェアのエコシステムについて彼の目線からわかりやすくかかれている。
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)
- 作者: 藤岡淳一
- 出版社/メーカー: インプレスR&D
- 発売日: 2017/11/24
- メディア: Kindle版
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もともとソフトウェアエンジニア (Webエンジニア) で、ハードウェアの量産経験などまったくない筆者であったが、ITが果たす役割が実社会に大きく関わっている現在において、ハードウェアを迅速かつ安価に調達できることは非常に魅力的である。この本には、深圳におけるハードウェアのエコシステムをいかにジェネシスが取り入れているかが書かれており、すなわち、自らの事業にハードウェアを取り入れる上で、深圳のエコシステムをどう武器にしていけばよいか、本書を通じて知ることができた。
生き延びるために変化をし続ける深圳のハードウェアのエコシステムは、訪問するたびに新たな側面をみせてくれる。今回の観察会でも深圳人が生み出す新たなムーブメントを見つけていきたい。
メイカームーブメントからメイカースキルへの変化
- "メイカーズのエコシステム" を読んで
自分がニコ技深圳観察会を知るきっかけとなったのがメイカーズのエコシステムという高須さんの本だったので、もう2年前ぐらいになるのであろう。
メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 (OnDeck Books(NextPublishing))
- 作者: 高須正和
- 出版社/メーカー: インプレスR&D
- 発売日: 2016/03/28
- メディア: Kindle版
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今では Google Home や Alexa と家電を連動させるために Raspberry Pi や Arduino を組み立て、その知見が Qiita や GitHub で共有されるようになり、任天堂は段ボール工作キットの Nintendo Labo を発表するなど、「ハードウェアを工作して生活を豊かにする」という、メイカー的な活動が徐々に世の中に浸透しはじめたように思える。
しかし、そのきっかけは「誰かをメイカーにしていく」という草の根的なムーブメントが大きな役割を占めていることはいうまでもない。若く野心ある人々が集まる深圳はそのムーブメントの中心地のひとつであることはいうまでもない。さらにいうならば、深圳という街が高速なイテレーションで変化しつづけており、人のみならず街レベルでメイカーの血を引き継いでいると感じる。サブタイトルの「新しいモノづくりがとまらない。」という名のとおり、深圳全体がメイカーを育て、街のアップデートの原動力となっている。
熱量の高い人が集まるからおもしろい
今回いくことができれば3回目の観察会となる。観察会以外にも何度も訪れているので、華強北の電気街や JENESIS さんへは両手で数え切れなくなるぐらい訪問している。それでもニコ技深圳観察会は特別だ。それは高須さんの手作りのツアーに共感し、決して容易ではない参加のハードルを越えてきた、熱量の高い人が集うからに他ならない。そしてメンバーの熱量の高さが、訪問先の方々を強く揺さぶり、数々の奇跡を起こしてきた。アウトプットの事例の一部ではあるが、高須さんの記事に、観察会をきっかけとした活動がまとまっている。
人類史上最速のイノベーション都市である深圳を全力で見に行くツアーに大きな期待をしている。今年も手を上げさせていただきたい。
【2018年版】 中国滞在時に Twitter, LINE, Instagram ができるプリペイドSIM/スマホの準備
この記事は古いです。最新の状況は以下のエントリを参照してください。
謹賀新年、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年末に子が生まれ、なかなか深圳に行けてない筆者であるが、復習を兼ねて中国大陸の通信事情を最新事情にアップデートしておく。
目次
- はじめに
- SIM フリー / SIM ロックを解除できる電話を持っている
- 中国聯通香港の 4G プリペイドを買う
- SIM ロックの解除が必要であれば、あらかじめ日本でやっておく
- SIM ロックがかかったスマホしかない
- 上級者向け
まとめ
SIMロックを解除し、 Amazon.co.jp で買った中国聯通香港の中国聯通香港のプリペイド SIMを挿す。iPhone 6s 以降に発売されたスマホなら SIM ロック解除できる (購入直後でも解除できるようになった)
はじめに
近頃メディアで取り上げられる機会が増え、俄か熱を帯びているサイバー都市・深圳 (深セン) 。現地のネットサービスを体験しに中国を訪れようとする人も多いだろう。大容量の通信を安価にできる、中国の通信手段についてここにまとめる。
中国での通信手段は「ローミング」が原則
「中国国内で Google や Twitter 、 Facebook 、LINE や Instagram が繋がらない」というのは有名な話。これは中国国内のプロバイダはグレートファイアウォール (GFW, 金盾) により特定のサービスへの接続が制限されている。中国国内で販売されているプリペイド SIM や、中国の SIM を用いた レンタル WiFi 、またホテルや公共施設の WiFi は中国からの通信であり、この制限が適用される。
一方、ローミングは契約元の通信事業者 (ドコモやKDDIなど) を経由するため、グレートファイアウォールの影響を受けない。中国での通信手段は、海外から持ち込んだ SIM を用いたローミングがベストである。
日本の SIM でローミングするか、海外の SIM でローミングするか
前述の通り、日本で普段使っている SIM でもローミングできることが多いが、以下の点に注意が必要である。
- ローミング費用が高いことがある
- ドコモの場合、海外1dayパケの契約と利用開始操作が必要
- MVNO (格安SIM) では対応していない
ドコモはキャンペーン料金 (何度も延長している) ではあるが、1日980円であり、また暦日ではなく利用開始から24時間単位で計算されることから 2-3 泊程度の利用ではおススメである。一方、ソフトバンクや格安SIMの場合、また滞在期間が長い場合は、香港のプリペイド SIM を購入して使うのがおススメだ。
SIMフリー / SIM ロック解除ができるスマホを持っている場合
中国聯通香港のプリペイド SIM がおススメ
これまで、いくつかの選択肢があったが現在はこの「中国聯通香港 (China Unicom) 4G 中港7日 2GB 上網卡」という SIM で間違いない。
7日間、2GB まで通信可能。使い切った場合のチャージは日本のクレジットカード (VISA / MasterCard) でもできるので安心。チャージ方法はカードの台紙に書いてあるので捨てないように!
SIM ロックの解除が必要であれば日本ですませておく
2015年5月以降に日本の通信事業者から発売されたスマホ、iPhone でいえば iPhone 6s / SE 以降は SIM ロックの解除ができる。昨年(2017年)12月にルールが変わり、分割払いの場合は購入から120日、一括払いの場合は購入日から解除することが可能だ。また分割払いであっても、通信事業者の窓口で割賦を繰り上げ返済すれば即日解除できる。SIMロック解除の手続きはオンラインできる。費用は無料で、解除することに伴い違約金などが発生することもない。
- NTTドコモ - My docomo の解除手続きページ
- au (KDDI) - SIMロック解除の可否判定ページから手続きができる
- ソフトバンク - My SoftBank の解除手続きページ
MVNO (格安SIM) の場合は SIM ロックが解除された状態で販売されていることがほとんどだが、UQ mobile が販売する iPhone と Y!mobile (ワイモバイル) が販売する全機種には SIMロックが施されていることがあるので注意が必要だ。
- UQ mobile (iPhone 6s, iPhone SE のみロックされている、解除手続きページ)
- Y!mobile (My Y!mobile より手続き)
なお、iPad は SIM フリーかどうか、SIM ロックの解除を実施したかどうかに関わらず、手続きなしで海外の SIM を使うことができる。
SIM ロックがかかったスマホしかない場合
日本の通信事業者が提供する国際ローミング(海外パケット定額)をつかう
ドコモ、au、ソフトバンク、Y!mobile のいずれかと契約している回線であれば国際ローミングができる。前述の通りドコモと au は 980円/24時間 (キャンペーン料金)、ソフトバンクと Y!mobile は 2980円/1日(暦日単位) だ。
なお、ドコモは事前に「海外1dayパケ」申し込みが必要になるので、あらかじめ日本で済ませておくとよい。
- 海外1dayパケの契約
- 利用開始操作 (現地についたらやる必要があるので、あらかじめプリントアウトしておくと便利)
または Wi-Fi ルータまたは SIM フリースマホを買おう
SIMロックが解除できないスマホの場合、または日本の国際ローミングを維持したままプリペイドSIMを使いたい場合 (電話を受ける必要があるビジネスマンなど) は、中国で使える WiFi ルータや SIM フリースマホを新たに買ってもよいだろう。
WiFi ルーターは去年に引き続き Battery WiFi がベスト。電池持ちがよく、また中国の周波数帯に最適化されているため電波の掴みがよい。
SIMフリーモバイルWi-Fiルーター Battery Wi-Fi MF855 日本版 7800mAh大容量バッテリー搭載
- 出版社/メーカー: ZMI
- メディア: Personal Computers
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海外用に SIM フリースマホを買うのであれば、”SIM2枚刺し (DSDS)” を要件に以下の機種をおススメしたい。
HUAWEI P10 lite
日本でも多くの格安 SIM 業者がサポートしていることから、流通量が多く手に入りやすいスマホ。中国滞在中に便利なだけでなく、日本国内においても格安 SIM で使いやすくできている。
→China Unicom は OK、 China Unicom 非対応 (TD-LTE 対応なし)
Huawei 5.2型 P10 lite SIMフリースマートフォン ミッドナイトブラック 【日本正規代理店品】 P10 LITE/WAS-LX2J/MI
- 出版社/メーカー: HUAWEI(ファーウェイ)
- 発売日: 2017/06/09
- メディア: エレクトロニクス
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ASUS Zenfone 4 MAX
こちらも格安 SIM 業者の多くがサポートしていて手に入りやすい。
→ China Unicom は OK、China Mobile はエリアが狭い (TD-LTE B38, 41)
ASUS ZenFone4 MAX ZC520KL【日本版】ブラック【正規代理店品】(オクタコア/3GB/32GB/トリプルスロット/DSDS/4,100mAh) ZC520KL-BK32S3/A
- 出版社/メーカー: Asustek
- 発売日: 2017/12/08
- メディア: エレクトロニクス
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HUAWEI P10
5万円代と高くなってくるが、カメラの品質もよく普段使いにももってこい。後述の中国移動 (China Mobile) の周波数帯にも対応してくる。
→ China Unicom は OK、China Mobile も OK (TD-LTE B38, 39, 40, 41)
Huawei 5.1型 P10 SIMフリースマートフォン グラファイトブラック 【日本正規代理店品】 P10/VTR-L29/Graphite Black
- 出版社/メーカー: HUAWEI(ファーウェイ)
- 発売日: 2017/06/09
- メディア: エレクトロニクス
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上級者向けのトピック
(以下は中国へよく行く人、また携帯電話への高度な興味がある人向けの話)
中国の周波数帯への最適化は必要か?
去年のエントリでは TD-LTE (Band 38-41) への対応が望ましいとしてきたが、中国聯通香港の SIM で China Unicom にローミングする限りにおいては、あまり気にする必要がない。世界中のほとんどのスマホが対応する Band 3 のエリアが広く困らないからだ。
もっとも、中国移動香港の SIM (2-in-1など) を使い続けている人は、引き続き TD-LTE への対応が必須である。また、後述の「タイやシンガポールのプリペイド SIM 」を買いたい場合、中国移動にローミングされるため、このケースでも TD-LTE への対応を見流べきだ。
中国大陸の SIM なら中国联通の日祖卡を現地で契約
ローミングは GFW の外になるので、Twitter や Facebook が使える反面、百度や高德地図などへのアクセスは遅い。またローミングの場合 1GB あたりの単価が 800 円程度と、気軽につかうには厳しい。
中国聯通 (China Unicom) の日祖卡は、月に6元、500MB/1元/日と非常に安く通信ができる。店舗によって扱いがないことがあるが、空港やイミグレなど域外からの訪中者が多い街のショップでは対応してくれることが多い。(2017年11月現在、皇岗口岸の China Unicom では取り扱っていた)
こちらの1元日租卡は「使わない月は5元、データ通信を使った日は1日1元(広東省)または2元(それ以外の地域)がかかる」という SIM 。月に80円程度で維持ができる。この SIM は 2017年12月にリニューアルされたもので、広東省の外でも安く (800MB/2元) 使うことができ、とてもよくなった。
GFWの問題があるため、VPNを自前で用意できる人や DSDS 端末でこまめに切り替える使い方ができる人におススメ
中国電話番号の SMS 受信は eSender が便利
博元信息が提供している「易博通」(eSender) は、中国の電話番号を手に入れて SMS の受信ができるサービスだ。このサービスを用いることで、中国の電話番号しか登録できないサービス (DiDiなど) や金融機関への登録のために、WeChat アプリを経由して電話番号を入手、SMS 経由の確認コードや連絡を受けることができる。
本件は、以下のエントリーが詳しい。
GlocalMe などの eSIM WiFi ルータはどうか
最近、各国の eSIM WiFi ルータと呼ばれる「世界各地で現地のSIMを自動的にダウンロードして通信を確保してくれる」サービスが出てきた。筆者はまだ試していないが、GLOCAL NET の場合、中国大陸では CMHK の SIM をダウンロードして接続を確立してくれるため、GFW を回避できるとのことだ。(類似の GlocalMe, Skyroam, PocketFi では GFW の影響を受ける)
ただし、eSIM 技術は発展途上であり、SIM のダウンロードに時間がかかったり失敗することがあること、また提携先が変わる可能性があり、今後 GFW の対象になることもありうるのでおススメはしにくい。
シンガポール StarHub の Happy Roam、タイ True の TRAVEL SIM ASIA も要注目
香港以外からも国際ローミングが使いやすいプリペイドSIMが売られている。
シンガポール StarHub の Happy Roam はシンガポール国内のデータパックがそのまま中国を含む対応地域 (日本も含まれる) で利用でき、有効期限3日の 1GB パックを 5SGD (シンガポールドル) で購入でき、400円強の単価を得られる。そして、有効期限7日の10MBパックを 1SGD で買い足すと、先に買った1GB パックまで有効期限が7日伸びておトク (パック一覧)。
ただし、この SIM は通販では購入できず、必ずシンガポールに自ら訪問し、パスポートを提示して購入する必要がある。(チャージはネット経由で世界中からできる)
TRUE の TRAVEL ASIA SIM は Amazon で購入でき、8 日間で 4GB も利用できる。値段も 1500 円以下で売られており、GB単価は400円を切る。
アジア周遊 プリペイド SIMカード!3G/4Gデータ通信【8日間4GBデータ定額】True TRAVEL ASIA SIM
- 出版社/メーカー: True
- メディア: エレクトロニクス
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ただし、この SIM はオンラインでのチャージができないため、現地で使い切ってしまった場合は苦労することになる。
なお、これらの SIM は中国移動 (China Mobile) にローミングする。iPhone であれば中国移動が用いる周波数帯 (TD-LTE) に対応していることがほとんどだが、Android の場合は対応してないことが多い。よくわからない場合は安定の「中国聯通香港 (China Unicom) 4G 中港7日 2GB 上網卡」を買っておこう。
香港空港での中国移動香港プリペイドSIMの現地調達について
昨年のエントリでは「香港空港で中国移動香港のプリペイドSIMを調達する」話も書いていたが、中国聯通香港の SIM を Amazon.co.jp で安価に調達でき、機種を選ばないことから、今回のエントリでは紹介していない。
一方、香港で現地調達の必要があり、かつ香港空港から深圳に直行する場合は、香港空港でプリペイドSIMを購入することになるが、香港空港で買えるSIMは中国移動香港のもののみだ。幸いなことに、現在では「中国香港両用SIM」を買わずとも、どのSIMに対しても中国でのデータパックを購入することができるようになった。要件は以下の通り。
- iPhone など TD-LTE (band 38-41) に対応したスマホ
- 中国移動香港のショップ営業時間内であれば、4G/3G中國國內10日數據卡(1.5GB) を買う (すぐに使い始められる)
- 深夜早朝など営業時間外の場合はイミグレ手前にあるセブンイレブンで4G/3G數據及話音漫遊儲值卡を買い、*103*200*02# を入力して中国香港データパック(1GB)を購入する
おさらい
2018年になって、SIMロックの解除要件が緩和されたこと、また中国聯通香港のLTEプリペイドSIMが容易に手に入り、グレートファイアウォールの規制を受けないことから、非常にお手軽になったと言えよう。
また、中国によく出入りしている人には、単価が安いプリペイドSIMがタイやシンガポール経由で調達できるようになったこと、また現地SIMが一層安くなったことが朗報と言える。
中国の SIM 事情は定期的に変わるので、何か新しい情報があり次第更新する。
澤田企画合同会社 2017年活動報告
年越し寸前となったが、備忘録と参照を兼ねて 2017 年の総括をば。
あんた誰?
この日記を書いている shao (澤田 翔) は、32 歳の技術者・連続起業家で、2008年にアトランティス (スマートフォン広告) の立ち上げに関わり、2011年にビットセラー (カメラアプリ) を立ち上げて KDDI に売却し、2017年よエンジニアリング・ITアドバイザリーを提供する、澤田企画合同会社を立ち上げた。社名に名字が入っていることからわかるように、私が代表と業務執行者を兼ねており、妻が後方を固めている体制の「家庭内企業」とでもいった風情である。
会社のテーマは
「テクノロジーと課題をつなげる」ことが弊社が提供する価値であると定義している。実社会に存在している大半の課題は、技術の組み合わせで解決できると信じている。ソフトウェアの開発や運用を通じて培った知見、中国をはじめとした世界のスマートシティの事例、決済システムや仮想通貨などのフィンテック (金融テクノロジー) などの専門分野を生かし、課題への技術的解決策を提供することを業としている。
「エコシステムの最大化」から収益を得る事業モデルを目指す
この1年注力した分野は「決済サービス」や「仮想通貨」に代表されるフィンテックである。一般的な業務委託の場合、これらの開発プロセスの一部または全部を引き受けるエンジニアリングサービスの提供にとどまることが多いが、弊社はプロダクトを取り巻くエコシステムの構築のお手伝いもさせて頂いている。具体的には世界中、とりわけ中国をはじめとしたアジア諸国の先進事例を紹介するとともに、関連したサービスを提供する各社、またそのデバイスやアプリケーションを作るための EMS やソフトハウスなど、フィンテックの事業や開発を迅速に進めるためのパートナーとの連携をプロデュースしている。
例えば、深圳で日本品質の EMS (電子機器の製造サービス) を提供しているジェネシス様は、スマートデバイスを「IoTサービスの構成要素」として安定的に供給されており、弊社でも度々紹介させて頂いている。
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)
- 作者: 藤岡淳一
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また、将来的にエコシステムにおいて重要な役割を果たせそうな、ポテンシャルの高いベンチャー企業からご相談をいただくことがあり、そうした新しい会社や起業家に対し、技術面、戦略面でのアドバイザリーサービスを提供している。
こうしたパートナーを通じて、取引先の開発プロセスの改善につながるエコシステムの構築を目指している。
案件例1: paymo biz (QRコード決済サービス)
案件例2: SynCryp (現在はサービス終了)
2017年、注力したテクノロジー
Web ブラウザやアプリなどのプレゼンテーション層において、コンポーネント化が進んできたこともあり、サーバ側もコンポーネント化のトレンドが進んでいると実感している。特に今年は GKE (Google Kubernetes Services) を基盤とした micro services の導入にかかり、ドメイン設計から開発、デプロイ、運用までの一連の知見を蓄え、エンジニアリングサービスに生かしていった。
また、仮想通貨に関しては ICO (Initial Coin Offereing) 案件の引き合いが多く、 スマートコントラクトと呼ばれる Ethereum という仮想通貨ネットワーク上で動くプログラムの開発、また複数の仮想通貨取引所と接続したトレーディングシステムの設計などにも注力した。
SRE (Site Reliability Engineering) 、すなわちサービスの安定稼働を目標とするエンジニアリングサービスでは、障害を検知する機構に機械学習を取り入れた。
2018年に向けて
2018年は、仮想通貨の技術を基盤としたアプリケーションがより注目されると考えている。ボラティリティの高いコインはさておき、船積証券やデポジットなど「世の中に1つだけ存在することが保証されなくてはいけない」ものはたくさんあり、それらをブロックチェーンの基盤で構築することで安価にシステム化することができる。また、仮想通貨にせよ決済にせよ、そしてIoT全般にも言えることだが、システムのインタフェースとしてセキュアで安価なハードウェアの開発のニーズはさらに高まると見込んでいる。
来年は「仮想通貨アプリケーション」と「セキュアで安価なハードウェア」の開発技術を中心に研鑽を進め、皆様のご期待に応えられるように精進していく。
来たる年もどうぞご贔屓のほどお願いいたします。良いお年をお迎えください。
おやつのシェアやコミケにぴったり! 個人で paymo biz のクレカ決済を導入する
本エントリで取り上げた QR コード決済機能は廃止されました。現在は使えません。
個人でもクレカ決済に対応できるQRコード決済サービスが日本でも
paymo biz は QRコードを作成するだけですぐに支払ってもらえるサービスだ。決済というと、お店が導入するイメージだが、paymo biz はお店だけでなく「職場でシェアしているお菓子代を集める」「趣味で作っている同人誌を即売会 (コミケなど) で頒布する」といった、個人的な集金をクレジットカードで払ってもらえるようになる。
個人でも使えるQRコード決済は WeChat Pay など中国で進んでいる印象だが、このサービスは日本で使うことができ、クレジットカード (VISA / MasterCard) で払ってもらうことができる。
筆者は袋入りのナッツやプロテインを職場の同僚とシェアするのに、このサービスを使っている。
使い方は?
生成したQRコードを読み取ってもらい、「いくら払います」と入力してもらうだけでOK 。
一度生成したQRコードは不変なので、紙にプリントアウトして張り出すこともできる。電源不要なのでコミケやフリマでも使いやすい。
「あっ!とそのとき」につけ込んだ商売だ! (日本です) pic.twitter.com/KowxqJBqCW
— shao (Sho SAWADA) (@shao1555) 2017年12月14日
登録は?
個人的な集金であれば、フォームへの記入だけ*1でOK。
paymo biz のページでサインアップ (Facebook ログインだと便利) し、メニューの「お店QR支払い」を選び、連絡先を書く。(購入した人に連絡先として表示される。メールアドレスや電話番号でも良い)
アカウント設定の基本情報から、お店の名前を設定する。
販売者情報で、氏名や生年月日、住所、売上金の振込先口座を入れる。(後でもよいが、これを入れないと売上金を受け取れない)
事業区分は「事業用途」と「事業用途ではない」がある。おやつのシェアやコミケのサークル活動、パーティーの集金など、法人や個人事業主として納税しないような用途であれば「事業用途ではない」を選ぶとよい。
以上で手続きは終了だ。たぶん5分ぐらいで終わる。
実際の取引は?
paymo biz アプリ (iOS / Android) をスマホにダウンロードし、同じアカウントでログイン*2すると、お店のQRコードを表示できる。また、paymo biz のサイト で商品を登録することで、読み取ったユーザが金額を入力しないようにもできる。
一度生成したQRコードは不変なので、 QRコードを紙や看板に印刷しておくのも便利。パソコンでログインしてプリンタで印刷する。
一方、購入者側は paymo のアプリをダウンロードしておくか、任意の QR コードリーダーで読み取り、 Web ブラウザにクレジットカード情報を入力することで支払える。最初の支払いのハードルがちょっと高いが、オフィスや即売会などでみんなが使うようになれば便利だと思う。
手数料は?
初期費用は月額費用はかからない。決済手数料も今は無料で、引き出しにだけ手数料がかかる。(1回200円)。引き出し手数料は申請をしたタイミングでかかるので、何ヶ月分か売上を貯めてから引き出せば手数料の節約になる。
決済手数料がかかる pixiv pay や paypal に比べて、かなりお得だ。
まとめ
個人でもすぐに使い始められて便利。コミケや屋台、オフィスなどに QR コードをどんどん貼りまくろう。
開示事項
私が所属する会社 (澤田企画合同会社) では、paymo を開発している AnyPay 株式会社と取引関係があります。本記事は個人の所感であり、 AnyPay 株式会社の意見ではありません。
第7回 ニコ技深圳観察会(2017/04)参加レポート: テクノロジーに夢と可能性を感じるエコシステム
2017年4月3日〜8日にかけて、tks さんが主催している、「ニコ技深圳観察会」に参加してきた。私は去年に続き、2回目の参加となる。
集まった方は非常にバラエティに富んでおり、ハードウェアエンジニア、Webエンジニア、記者、VR/MR開発者、ファッションクリエイター、経済研究者など非常に多岐にわたり、とても貴重な時間を送ることができた。
今回訪問させていただいた先の個々のレポートについては他の方から詳しくあがると思うので、今回のツアーを通じて感じたことを中心にレポートさせていただく。
TL;DR (この文章で言いたいこと)
深圳は「テクノロジーで未来がよくなる」と本気で思っている人が多く集まったことにより、イノベーションを連続的に生み出すエコシステムが成立している。
このエコシステムは「工場が安い」「大きな電気街がある」ことが理由で成立しているわけではない。(現に工場の賃金は相当上昇しているし、電気街で仕入れた部品をプロダクトにすることは稀である)。テクノロジーと人との繋がりを最大限に活かして迅速にプロダクトアウトまで持っていける能力が、まさにイノベーションの源泉であり、深圳のエコシステムはこの能力を最も重要視している。
本レポートでは、この「深圳のエコシステム」について、今回の観察会で感じたこと、またこの1年、幾度と深圳に足を運ぶ中で気づいた変化についてまとめていく。
ハードウェアスタートアップからテクノロジースタートアップへ
バブル期に日本企業から家電やゲーム機の製造を引き受けていた工場は、受託を通じて自分で回路を起こせる技術を持ち、やがて「山寨」(シャンザイ)と呼ばれるコピー商品を作るようになった。Amazon や楽天で見かける、ブランド不詳のモバイルバッテリーや Bluetooth スピーカーなどが一例である。こうした商品は、回路設計や部品が会社を跨いで出回っていることから、非常に少ない手間で量産し、出荷できてしまうことから競争優位性に乏しい。既存のハードウェアの真似では儲からないし、少々イノベーティブなハードウェアをつくったとしても、そう時間が経たないうちにハードウェアは真似されてしまう。
いま生き残っている深圳の企業は「他社が追従できないレベルまで品質を高めたハードウェアを売る」か、「ハードウェアだけでなく、周辺サービスやソリューションを含めたテクノロジー全域でプロダクトをつくる」ことができている会社だと思われる。
3日目に訪れた Insta360 は、全天球カメラ (360°カメラ) を手がけるスタートアップである。彼らはカメラというハードウェアだけでなく、付属のソフトウェアが大変作り込まれていて、(中国のハードウェアなのに) Facebook や Periscope (Twitter のライブ中継サービス) を用いて 360°動画のライブストリーミングができるようになっている。また、全天球カメラのユーザー投稿型サイトも運営しており、ユーザ同士のコミュニティも形成されている。ソーシャル上に占める全天球動画のアップロード数では Samsung や RICOH といった大企業を差し置いてトップのシェアを誇っている。
また、1日目に訪れた、日本向けに IoT / ICT デバイスの製造受託を引き受けている JENESIS も「ハードウェアは極力単純化してソフトウェアやクラウドサービスのレイヤーで差別化を図る」ことを勧めていた。JENESIS は深圳に既にある回路設計や部品を最大限活用し、まさにエコシステムに乗っかるかたちで、コモディティ化されたハードウェアを迅速に、かつ日本の顧客が満足できる品質 で供給してくれる。スタートアップ企業は、ソフトウェアとクラウドサービスの開発にフォーカスできるようになり、テクノロジー全域で勝負することができるようになるだろう。
3日目に訪れた Ash Cloud は、スマートフォンのアクセサリを梱包する会社だが、その工程の管理がとにかく卓越している。自社でつくった iOS で動く生産管理システムは、従業員の勤怠管理から生産性のトラッキング、さらにはラインの管理まですべてを網羅している。ラインごとの生産性、すなわち生み出す収益はリアルタイムで算出され、効率の悪いラインは速やかに工程や人員の見直しが行われる。また、ロボットでも業務が行われており、ロボットが人間の能力を上回った仕事から順に、労働者がロボットに置き換えられていくとのことだ。
テクノロジーがすべてを支配する様は恐怖すら感じるが、ハードウェアの生産に対して過剰なほどソフトウェアテクノロジを注ぎ込むことにより、生産効率を飛躍的に向上させ、競争優位性を確保しつづけている。
テクノロジーが都市を変えていく
もともと中国のフィンテックサービスを研究していたため、今回、ツアーに参加される方に WeChat Pay の利用を勧めていた。
WeChat Pay はチャットアプリ「WeChat」で支払いや送金ができる機能であるが、これを用いた数多くのサービスが深圳にあり、実際に深圳市民の多くが利用している。
スーパーやコンビニなど WeChat Pay を導入している店舗において支払いができるのはもちろんのこと、「QRコードを読み取ることで、対面で送金ができる」機能があることから、小規模な商店や屋台、露店に至るまであらゆる場所で、WeChat Pay を用いてお金を受け渡すことができる。
もちろん日本でも Suica やクレジットカードなどの決済手段は存在するが、店舗は加盟店として登録する必要がある他、専用の機器の導入や手数料の負担など導入のハードルは高い。そのため非対応の店が相当数出てしまう。WeChat Pay の対面送金機能は、まさにその穴を埋めるものであり、「お金を渡す」行為のすべてが WeChat Pay でカバーでき、本当に現金を使わずに生活ができてしまう。
さらに、WeChat Pay はネット越しにお金をやりとりできるため、さらにユニークなサービスも生まれている。
深圳の街中を歩くと、オレンジや黄色、青などのカラーに包まれた自転車が多数置いてあるのを見かける。これはシェアリング自転車であり、使いたい人は自転車についたバーコードやシリアル番号をスマートフォンのアプリで読み取り、WeChat Pay で精算することで自転車に乗ることができる。自転車を返す場所は特に決まっておらず、適当な駐輪スペースに停めてアプリを操作すれば返却したことになる。また、自転車を故意に損壊することを防ぐため、WeChat Pay で保証金を預ける必要もある。これらのサービスとして有名なのは Mobike と ofo である。
また、レストランに行くと机の上に QR コードが貼られていることがある。この QR コードはテーブルごとに異なっており、WeChat アプリでスキャンすることで、スマートフォンに表示されたメニューから食事をオーダーすることができる。もちろん決済は WeChat Pay で行われる。すなわち「メニュー本を見る」「店員を呼ぶ」「店員がターミナルに打ち込む」「伝票を持ってくる」「精算する」という一連の流れが WeChat アプリで完結してしまうのだ。
こうしたサービスが生まれ、深圳の街に定着したのはこの1年ぐらいの出来事である。レストランの QR コードオーダーはまだこなれてなく、注文が忘れられてしまうこともあってご愛敬だが、そういった buggy な部分も含めて「便利そうだから、まずは使ってみよう」というのが深圳という都市で見られる光景である。
エコシステムを支える STEM 教育と maker space
新しいテクノロジーを作るのも人間であるし、また活かすのも人間である。深圳で起きるイノベーションの数々を見ても、またWeChat Pay の浸透をみても、こうした層が非常に厚いと感じる。もちろん年齢層が若いというのもあるが、それで説明がつかないほど彼らのレベルは高い。
Makeblock は深圳を拠点としたメイカー向けの DIY キットを手がける会社で、Makeblock をはじめいくつかの DIY キットを Kickstarter でローンチし、現在は Amazon などを通じて世界に販売している。
Makeblock は組み合わせ可能なハードウェアに加え、言語を記述しなくてもプログラミングができる mblock というビジュアルプログラミング環境が付属しており、これを用いることでブロックを実際に動かすことができる。こうしたことから、教育機関での採用例が多く、STEM (Science TEchnology Mathmatics) 教育のカリキュラムとして採用されることが多い。実際に教育機関で扱いやすいよう、教材や教師向けの手引き、学校用の一括導入パックまで整備されている。
メイカーの祭典である Maker Faire は、メイカーがコミケのようにブースを構え、自主制作のプロダクトを発表する場であるが、今回の観察会後に訪問した Maker Faire Hong Kong (香港は深圳の隣にある) では、多くのメイカーが子ども向けに体験ブースや教室を開いており、実際に小学生から中学生程度の人を多く見かけた。また出展する側も高校生〜大学生がかなりの部分を占めており、テクノロジーを探求する若年層の厚みを感じた。
また深圳にはメイカースペースと呼ばれる、メイカー向けに機材を揃えたレンタルスペースが数多く存在する。2012年に深圳で最初のメイカースペース Chaihuo が生まれ、最近ではメイカーやイノベーター向けに特色のあるメイカースペースが出てくるようになった。Trouble Maker のように、スペースや機材だけでなく、ファンドとのリレーションから法務サービス、プロモーションビデオ制作、流通などをワンストップで提供する場所が出てきた。Chaihuo x.factory ではメイカー向けの教育やコンサルティングのプログラムを充実させている。メイカーのステップや目指す方向性によって異なるニーズを、それぞれのメイカースペースが解決できるようになってきた。
イノベーションの担い手を歓迎する街
迅速なプロトタイピングを支援するメイカースペース、スマートフォンを用いたフィンテックサービス、少数生産に特化した工場など、いずれも深圳のエコシステムにおける特徴的なファンクションであることは言うまでもないないが、その背景にある「イノベーションを支える仕組み」が最もユニークで重要なものであると思う。
イノベーションを支える仕組みの根幹にあるのは、ハードウェアであれWebサービスであれ、何かを生み出そうとしている人を支えたいという気持ちに応えようという機運が高く、そのために実際に行動する人がいること。そして行動する人同士でつながる強固なネットワークが存在することだろう。
HAXやChaihuo、SEGなどはサービスとして試作空間や資金、セミナーを提供するだけに留まらず、何か新しいことを手がけようとする我々に対し、本気で相談に乗り、WeChatでコミュニティに引き合わせてくれ、取り組みに対して惜しみない支援の手を差し伸べてくれる。
ニコ技深圳観察会そのものも高須さんをはじめ、参加者相互による手作りのツアーであるが、そうした企画に対して最大限協力してくれるのが、まさに深圳のコミュニティである。
また、私自身も日本のインターネットスタートアップ企業のチームを引き連れてプライベートな観察会を何度か手がけているが、この取り組みに対しても、深圳のコミュニティから多くの支援をいただいている。
サービスで支えてくれる会社もある。前述の JENESIS は、日本交通や大手の教育機関などからそれなりのロット(製造単位)でハードウェアの製造を請け負う会社であるが、ベンチャー企業については別の観点で引き受けを考えてくれる。採算やスケジュールなどの観点ももちろんあるが、いちばん重要視しているのは「事業に対する作り手としての熱意」であると JENESIS 代表の藤岡氏は語る。熱心なイノベーターに対して寄り添う姿勢は、ここに限らず深圳のあらゆる場所でみることができた。
イノベーションの現場に変貌する深圳
「深圳の1週間はシリコンバレーの1ヶ月に相当する」と言われているほど変化の速い深圳。初めての訪問はちょうど1年前のニコ技深圳観察会であり、そこから訪問を繰り返していく中で多くの変化を感じ取ることができた。その中でも特に印象的だったのは、深圳を起点にエコシステムと市場を世界に広げようとする人が増えたことではないだろうか。DJIは言うまでもなく、Insta360 や Makeblock などは海外向けにプロダクトを輸出し、世界的なコミュニティの醸成に成功している。街中をみても1年前に比べ、英語が通じるシチュエーションは増えているように感じる。そして、そのエコシステムを活かそうと全世界から人々が集まりつつあるのが今の深圳だ。
テクノロジーに夢と可能性を感じ、最速で進化を遂げる街、深圳は急速に世界のイノベーションの現場に近づいているように感じた。
中国に住んでない僕らが WeChat Pay を有効化して使う方法 (中国大陸の銀行口座不要)
【更新履歴】
- 2018/12/26 注意事項の追加 (決済上限、情勢の変化) 、リンクの追加
【注意①】本来中国大陸*1の居住者向けにサービスされている WeChat Pay を非居住者の外国人が勝手に使う方法を解説した記事です。残高の損失を含め、あらゆるリスクがあることを理解し、自己の責任でお楽しみください。筆者は一切の保証をしません。
【注意②】この記事で紹介する「海外のクレジットカードで WeChat Pay をアクティベートする」方法は公式の方法ではないため、突然使えなくなるリスクがあります。(2018年も2回ほど同様の事象を確認してます) WeChat Pay における保証された使い方は「中国大陸で開設した本人名義の銀行口座を紐付ける」方法だけです。
今や中国はモバイル決済の最先進国。コンビニやスーパーはもちろん「目の前の人とQRコードでお金のやりとりができる」おかげで、屋台や個人タクシーでもスマホひとつで決済できる。
中国のモバイル決済だとアリペイ(Alipay, 支付宝[zhī fù bǎo]) が有名で、日本でもローソンや免税店、家電量販店で青いステッカーを見たことがある人も多いだろう。しかし、これを使うには原則として中国大陸の銀行口座が必要なので、中国に定住してない人には難しい。
一方、WeChat のペイメント機能である WeChat Pay (微信支付[wēi xìn zhī fù]、ウェイシンジーフーと発音する) は、中国大陸の銀行口座がなくとも、日本のクレジットカードで登録できる。
今回、WeChat Pay を使えるようにするまでの手順を紹介する。記事の執筆にあたり、実際に有効化するまでの手続きをスクリーンショットに収めて提供してくださった @kon_yu 氏に感謝の意を表する。
また、WeChat Pay はオフラインでは使えないので、中国に渡航する際は通信環境を用意しよう。中国で使える SIM や Wi-Fi ルーターの話はこちら。
WeChat で誰かから送金を受けとると Pay 機能が有効になる
WeChat Pay を使い始めるには、まず WeChat をインストールし、チャット機能を使えるようにする。その上で、WeChat Pay が既に使える人とチャットし、送金機能でお金を送ってもらう必要がある。
1元(16円) でも0.1元でも大丈夫。届いたらオレンジ色の吹き出しをタップ。
「領収書を確認」を押すと、本人確認を要求されるダイアログが出るので「Verify」を押す。本人確認の手続きは後述する。
送金してくれる人いないんだけど……
先に書いた通り、WeChat Pay を有効化すべく本人確認のプロセスに入るには、誰かから送金を受ける必要がある。周りにWeChat Payを使える人が誰もいない場合はどうすればいいだろうか、その場合は諦めることを推奨する。
WeChat Payを仮に有効化できたとしても、大陸の口座を持たない我々が WeChat Payにチャージする手段は、チャットか対面での送金機能を使うしかない。(日本のクレジットカードや銀行口座からはチャージできないし、Suicaのようにチャージできる機械もない)
既にWeChat Payの残高を持っている友達がいれば頼んでもよいし、中国国内であればホテルの受付や店員に現金を渡せば手伝ってくれることもある。
このように、およそ観光客が使うにはハードルが高いので、生半可な気持ちで始めるのはオススメしない。
日本のクレジットカードで本人確認できる
本人確認のフェーズでは中国大陸の銀行口座の番号を求められるが、2018/12/26 時点では日本国内で発行された多くのクレジットカードを入力することでも手続きを進められる。
前述の送金受取からの本人確認プロセスで「添加银行卡」(Add Bank Card) を選ぶ。
次の画面で16桁のクレジットカード番号を入力する。VISAあるいはMaster Cardが通りやすいが、駄目なカードもある (登録時に失敗する) ので、うまくいかないときはこの画面に戻って別のカード番号を入れる。
現時点で WeChat Pay に登録した日本のクレジットカードで買い物やチャージはできない。あくまで本人確認にしか使われないので請求があがることもないはず。とにかく通過すればよいという気持ちでいよう。
次の画面では、カードのセキュリティコード(裏面3桁)、有効期限、氏名、地域(国/都道府県)、住所、電話番号、メールアドレスを英語で入れる。
デタラメを入れてしまうと何かトラブルがあったときに困りそうなので正直に入力したが、ここに記載した連絡先にコンタクトがあったことは一度もない。
ここで次に進んだときに「System Busy」などと表示された場合、入力したカードは対応してない。別のカードを試してみよう。(同じカードでも日によって使えたり使えなかったりすることも何故かあるが。)
支払いパスワードは絶対に忘れないように
正しく登録できた場合、6桁の支払いパスワード(暗証番号)を決める画面が出てくる。
ここで入力した値は買い物や送金で使うことになる。忘れた場合にリカバリするには外国人にとって極めて困難な手段しか用意されてない (中国大陸の身分証カードを出すとか) ので、絶対に忘れないように気をつける。
以上の手続きで WeChat Pay を有効にすることができる。
QRコードをスキャンして支払う
さて、WeChat Payでの支払い手順を軽くみてみよう。まず代表的な支払い方は「QRコードのスキャン」だ。
店員に 「微信支付」(ウェイシンジーフー) と言うと QR コードを出してくれる。(レジであればウェイシンだけでもまず通じる)
アプリ右上の[+]→[QRコードのスキャン]でカメラが立ち上がるのでQRコードを読み取ろう。
店によっては金額を自分でいれる必要があることもある。金額が聞き取れない場合はスマホを店員に渡せば入力してくれる。
最後に6桁の支払いパスワード(暗証番号)を入れれば完了だ。
飲食店では、テーブルごとに異なるQRコードが貼り付けられていて、注文から決済までスマホ上で完結するような仕組みもある。オンラインとオフラインをシームレスにつないでいて大変エキサイティングだ。
大規模チェーンではバーコードを読み取ってもらう
ファミリーマート、ケンタッキーやマクドナルド、イオンなどの大規模なチェーン店ではアプリで生成したバーコードを店員に読み取ってもらうこともある。
[+]→[マネー]でバーコードが表示される(初回は確認画面や暗証番号の入力がある)ので、それを店員に見せてバーコードリーダーで読み取ってもらおう。Suica顔負けの爆速で決済がなされる。
店員がバーコードリーダーをスマホに向けると、瞬時に決済される。
[+]の中にマネーが見当たらない場合は、 [本人]タブ→[ウォレット]→[マネー]でも遷移できる。(WeChat Pay登録直後は表示されないことがある)
なお、日本国内でも免税店や家電量販店などで「WeChat Pay で支払えます」の看板をみかけることがあるが、この手順でつくったアカウントの残高では支払えない。 (日本など、中国大陸以外の地域で展開している WeChat Pay の加盟店は、中国国籍で登録したアカウントでしか支払えない) 中国大陸に渡航したときに使おう。
お金を受け取ろう
WeChat Payの機能でいちばんぶっ飛んでいるのが、先ほどのマネーの中にある「お金を受け取る」機能だと思う。
[+]→[マネー]→[お金を受け取る]で、あたかも商店主のように、目の前の人からお金を送ってもらうことができる。
このスクリーンショットは実際に機能するもので、これをスキャンして金額を指定すると僕にお金が届く。
先ほど「中国大陸の口座がないとチャージができない」といったが、ホテルや街中の人に現金を渡してこの画面を見せ「この現金でWeChat Payにチャージしてほしい」と頼めば、まさに対面チャージができてしまう。
深圳(深セン)では、タクシーも屋台のおばさんも当たり前のようにこの機能を使ってお金を受け取ってくれる。これをもって「財布のいらない街、深圳」が実現している。
注意事項
クレジットカードの登録がうまくいかない場合
- 他の手持ちのカードを試す。ただし1日に3枚ぐらいまでにしたほうがいい。 (あまり試しすぎない)
- VISA, MasterCard が比較的通りやすい。
- バンドルカードや Kyash でも認証できるので、手持ちのカードが足りなければこれらで試してみる。
決済上限について
- 累計で1,000元を利用したところでそれ以上の決済ができなくなる人をみかけた (2018年7月頃に報告があった)。
- 発動する条件は不明だが、おおよそ「WeChat をこれまで使ってこなかった」「WeChat Pay をアクティベーションして直後に大量の送金をした」人がロックされている。はじめのうちは少しずつ決済する、WeChat の会話機能も適度に使うことで回避できると思われる。
- 既に 1,000 元を超えて決済している人がひっかかることはなさそう。
カードは登録できたけど決済できない
- 2018年11月下旬〜12月中旬に「クレジットカードは登録できたけど、送金/支払い画面で追加の認証を求められてしまう」事象があった。今後も起きるかもしれない。
- 金融商品、外貨決済 (日本や香港などの加盟店)、顔認証決済は中国人 (中国大陸の政府が発行する身分証を登録した人) しか使えない
それでもうまくいかない場合、他のサイトのまとめも見てみるとよいかもしれない。
Alipay (支付宝) を試してみるのも一つの手。
おことわり
対面決済やQRコードを用いた便利なサービスが体感できる WeChat Pay だが、基本的には中国大陸に住む人向けのサービスであり、旅行等で訪れる外国人は対象にしていない。
したがって、いつ残高が使えなくなるかわからないし、トラブルがあったときも自分で解決しなくてはならない。よって、最悪「呑み込まれてしまっても泣かない」程度のお金でやるべきだと思う。この記事をもとにして行動した結果、何がおきても筆者は責任をとれない。
そんなハードルを超えてでも、独自の進化を遂げる中国のモバイルペイメントは一見の価値があると思う。
【2017年版】中国で Twitter/LINE ができるモバイル環境 (スマホ/プリペイドSIM) まとめ
この記事は古いです。最新の状況は以下のエントリを参照してください。
深圳 (深セン) をはじめ、中国大陸に行く機会が増えたことから「中国 深圳に行くためのモバイル環境(スマホ/SIM)の準備まとめ」というエントリをまとめてから1年ちかくが経ち、状況が変わってきたので最新の事情にアップデートする。
早見表
- SIM ロック解除済みの iPhone (iPhone 6 以降) または iPad (Pro / Air 2 / mini 4) が用意できる
- 中国移動香港の "4G/3G 中国・香港10日間 1.5GB データプリペイド SIM" を買う
- SIM ロック解除済みの Android / Wi-Fi ルータが用意できる
- 中国聯通香港の "中国本土31省と香港7日間 2GB データプリペイド SIM" を買う
- SIM ロックが解除できない
- (au契約者のみ) 世界データ定額を利用した国際ローミング
- Battery Wi-Fi MF855 と 中国移動香港の "4G/3G 中国・香港10日間 1.5GB データプリペイド SIM" を買う
- Mobike使いたい!Didi使いたい!中国の銀行口座を開きたい!
- デュアルSIM + TD-LTE 対応機 (Xiaomi Mi Maxなど) + 中国聯通香港の "3G版跨境王 デュアルナンバーSIM" を買う
これらの理由については後述する。
香港や日本のSIMでローミングすると中国大陸でもTwitterが使える
「中国大陸ではTwitterやGoogle、LINEが規制されている」というのは聞いたことがあると思う。一昔前はVPNやプロクシで回避できたが、最近は本当につながらない。日本の空港で借りられるポータブル Wi-Fi ルーター (イモトのWi-Fiみたいなやつ) や現地のホテルで使える Wi-Fi では、Twitter や Google は使えないと考えた方がよい。
この制限は国際ローミング (いわゆる "海外パケ・ホーダイ") で回避できる。従って、ドコモ/au/ソフトバンクのスマホであれば、1日あたり2,980円を支払うことでTwitterやLINEができる環境を手に入れることができる。
しかし1日2,980円、数日つかえば万単位の課金となってしまう。そこでオススメなのが香港の通信キャリアが販売しているプリペイド SIM 。日本の Amazon でもすぐに手に入る上、2,000 円程度で 7〜10 日間使えて旅行にちょうど良い。本エントリでは「香港のプリペイドSIMを使って中国大陸でスマホを使う」方法を解説する。
スマートフォンまたはWi-Fiルータの用意
国内で販売されているスマートフォンをSIMロック解除する場合
日本の通信キャリア (NTTドコモ, au, ソフトバンク) で買った iPhone や Android を SIM ロック解除して、香港の SIM を使うことができる。キャリアごとの解除方法および対象の機種は以下の通りである。なお、SIMロック手続きにかかる費用は下記のリンクにある各社の Web サイト (スマホからはアクセスできない) で行えば、原則として無料である。
- NTTドコモ:SIMロック解除 | ドコモオンライン手続き | My docomo(マイドコモ) | NTTドコモ
- au: SIMロック解除の可否判定 | My au
- ソフトバンク: SIMロック解除手続き | My SoftBank | ソフトバンク
- iPhone 6s の機種 (6s/6s Plus, SE, 7/7 Plus) : 購入後 180 日経過時点より
- 2015 年 5 月以降に発売された Android: 購入後 180日経過時点より
iPhone の場合、SIMロック解除の手続き以外の操作は不要であるが、Androidの場合は手続き時完了時に受け取るロック解除コードを控え、他国のSIMカードをはじめて刺すときにその番号を入力する必要がある。
また、iPad のテザリング機能を Wi-Fi ルーターの代わりに使うという手もある。日本国内で販売されている iPad は、国外 SIM フリーとなっており、特に手続きをせずとも香港の SIM を刺せば使える。
SIMフリーの通信機器を買う
あいにく現在利用中の機種がSIMロックを解除できない場合は「SIMフリーの通信機器を買う」か「今の契約のまま国際ローミングをする」のどちらかとなる。
SIMフリーの通信機器で、一番安く手に入るのはおそらく ZMI の Battery Wi-Fi だろう。
中国の通信事業者で用いられる周波数帯 (チャンネル) に適合し、かつ大容量のバッテリを搭載しスマホの充電に使えることから、旅行での使い勝手が極めてよい。値段も1万円しないので、3-4日で国際ローミングの元がとれる。
より深圳に入り浸るのであれば、中国渡航用にスマートフォンを買ってしまうというのも選択肢に入る。中国の Web サービスの多くは中国の電話番号を必要とし、また行儀の悪い (通知が多かったり挙動が怪しい) アプリも多いので、専用のスマートフォンを用意できると捗る。「中国で4G通信ができ、SIMが2枚 (中国番号用と香港ローミングデータ通信用) 刺さる機種」という観点でみてみよう。
ASUS の ZenFone 3 Max は、2万円台前半で手に入るミドルレンジ機種だ。 microSIM スロットと nano SIM スロットの両方を備え、中国聯通香港の LTE (B3 / B38) に対応している。
Xiaomi の Mi5 は 3 万円台中盤になってしまうが、映りの良いカメラ、4G+3G 同時待ち受け (日本の LTE を掴みながら中国SIM をローミングして SMS も受信できる) ので、予算が許すのであればベストな選択である。
SIMの準備
中国移動香港、中国聯通香港ともに 4G に対応したプリペイド SIM を発売している。この2社は中国で使っている周波数帯が異なることから、機種によりどちらか適切なものを選ぶ必要がある。
iPhone 6 以降 / iPad (Pro, Air2, mini4) / Battery Wi-Fi の場合
中国移動香港の "4G/3G 中国・香港10日間 1.5GB データプリペイド SIM" を買う。
中国国内では TD-LTE の B39 / B40 / B41 という周波数帯でサービスしていて、これに対応する機種は iPhone、iPad と Battery Wi-Fi ぐらいしかない。
(他に Nexus 5X や Xiaomi などの機種などが対応している。スペックなどを確認して上記周波数帯に対応してることが確認できれば、このSIMを買えばよい)
このSIMは、香港国際空港 (ターミナル1, 到着階) で購入することができ、SIMフリー iPhone を店員に渡せば設定もしてくれるので、非常に便利である。また、中国最大手キャリアのため、エリアも広い。
香港国際空港で買う場合は "prepaid data sim for main land and hong kong please" などと言えば出てくる。が、入手に不安がある人、また深夜早朝帯など店が営業してない時間帯に到着する予定の人、そもそも香港国際空港以外のルートで中国大陸に入る人は Amazon で事前に買っておくとよい。
Android の場合
Android や、古い iPhone / iPad の場合は中国聯通香港の "中国本土31省と香港7日間 2GB データプリペイド SIM" を買っておけば間違いない。
W-CDMA, LTE ともにメジャーな周波数帯 (B1 / B3) で運用されており、ほとんどすべてのスマートフォンで通信ができる。ただし周波数帯が中国移動香港に比べて狭いからか、速度を遅く感じることもある。
香港国際空港では販売していない (香港市街地では買える) ので、事前に日本の Amazon で購入することを強く推奨する。
国際ローミング: auの世界データ定額もよい (期間限定)
ここまで、香港のプリペイド SIM を買う話を前提に進めてきたが、SIMロックが解除できない機種で、かつ渡航期間が短い場合は日本の SIM で国際ローミングすることも考えられる。
ドコモとソフトバンクが提供する海外用パケット定額サービスは1日2,980円だ。
暦日で課金されるので、 "午後ついて翌日午前まで使う" ケースでは2日分とられてしまう。
一方、auは世界データ定額というサービスを行っていて、こちらは24時間980円と、2泊程度であればプリペイドSIMより安く済ませられる。(しかも暦日ではなく、利用開始から24時間で980円だ)
残念なことに本来の対象国に中国は入ってないが、期間限定のキャンペーンで 2017/06/05 までは中国も対象になっている。
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中国・グアム・サイパンなどでも「世界データ定額」が利用可能に! | 2016年 | KDDI株式会社 - 2016/12/22 〜 2017/02/28
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世界データ定額 Wi-Fiルーター不要!身軽に海外キャンペーン | 海外で使う(au世界サービス) | au- 2017/03/01 〜 2017/06/05
上記施策が恒久的なものであるのかは不明。
au 世界データ定額サービスの利用には「世界データ定額アプリ」を事前に入手し、国内で一度起動しておくとよい。(サービスの利用に必要な各種契約が済んでいるかを確認してくれる)
これら上記3社の国際ローミングサービスはキャリアのサービスであり、MVNO (格安SIM) では受けられないので注意。
mobikeを使いたい、中国の銀行口座を開きたいなら中国の電話番号
中国では携帯電話番号を用いた本人確認が行われることが多く、その場合に香港や日本の携帯番号は使えず、中国大陸の番号 (+86) が必要となることが殆どである。
シェアリング自転車の mobike (摩拜)、ライドシェアの Didi (滴滴) の利用には中国の携帯電話番号が必要。また Alipay を使ったり、WeChat Pay に入金するには中国の銀行口座が必要だが、その開設にも中国の携帯電話番号が必要になる。
中国の携帯電話番号を取得できる香港 SIM は市場に出回っているもの限りで、現在は 3G版の跨境王のみである。 (4G版跨境王は香港の電話番号しかついてこない)
ただ、跨境王はデータ通信の単価が高い上に LTE 非対応なので、前述のデュアル SIM 端末を活用し、データ通信用の SIM との 2 枚刺しが実用的と言えよう。
※ 3G版の跨境王は、中国聯通香港のキャリアショップで実名登録が必要なので注意。
なお、WeChat Pay のアクティベーションだけであれば中国の番号は不要なので跨境王を手に入れる必要はない。日本のクレジットカード (VISA/MasterCard) があれば日本国内からでも可能。
まとめ
- 空港で借りられるWi-Fiルータ、ホテルのWi-Fiは使い物にならない
- 手元のスマホのSIMロックを解除できるか確認してみよう
- 解除できたら iPhone の場合は中国移動香港 10日間 1.5GB プリペイドSIM、Androidの場合は中国聯通香港 7日間 2GB プリペイドSIMを買う
- 解除できなかったら Battery Wi-Fi MF855と中国移動香港 10日間 1.5GB プリペイドSIMを買う。auなら世界データ定額もよさそう。(ただし2017/06/05までの期間限定)
- iPadもWi-Fiルータの代わりになるぞ。SIMロック解除も不要でよい