マッハ新書のつくりかた

さる 4月25日、VRエンスーで著名なGOROmanさんが「全ての出版社は多分潰れる」という電子書籍を出した。この本は、同氏が飛行機の欧州航路で移動中の12時間で書き上げた「即席の書籍」である。

あたかもGOROmanさんが目の前で即席のプレゼンをしてくれているような感覚に陥った。本なんだけど圧倒的なライブ感。その面白さに惹かれ、その夜には自分も筆をとっていた。

外が明るくなる頃には書き上がったので、すぐに BOOTH に陳列した。自分の思うところを荒々しく書き綴った、決して完成されてない書籍が世の中に出た。

ニコ技深圳コミュニティでお世話になっている伊藤亜聖さんがGOROmanさんと私のムーブメントに乗り、後に続いた。「大学の先生がスマホで書いた本」という、これまでにないスタイル。私は Pages での組版と校正を数時間ほど手伝い、98ページもの書籍が世に出た。

わずか4日間で3冊の本が出た。これを「マッハ新書」と名付けることにした。

ちなみに3冊目の「加速都市深圳」の出版を手伝わせて頂いた。

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コミュニティ時代の本

マッハ新書は、単に高速で出版されることが特徴ではない。TwitterFacebookなどのSNSを通じて本のリリースが拡散するとともに、感想から誤字脱字に至るまで、さまざまなフィードバックも即座に伝わる。それらの声をもとに加筆訂正が行われ、その日の間に次の版がリリースされ、またダウンロードできるようになる。
そして前述のように、マッハ新書に感銘を受けた人が、新たなマッハ新書を生み出す。
さながら本を通じて「生きたコミュニティ」があらわれるのだ。

マッハ新書を支える Pages と iPad

GOROmanさんの「全ての出版社は多分潰れる」は iPad の Pages で書かれている。それに倣い、私の「シンギュラリティが終わる日」と伊藤亜聖さんの「加速都市深圳」もPagesで作っている。このアプリを使うとマッハ新書を素早く出すことができるのだ。

まず Pages は Word と同じくワードプロセッサなので、強調やルビなど、書籍の体裁に必要な装飾、そして見出しレベルや本文などの構造化された文章と、それに応じたスタイルの設定ができる。
また、iPad では注釈をペンでいれる機能があり、伊藤さんの本では私がスタイリングしている間に伊藤さんが校正を素早く進めることができた。

Pages でつくるコツをいくつか書いておく

1. 新規作成時に「ブック - 縦 > 空白ブック」を選んでおく

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2. 書類設定で「A4」にする。ヘッダ・フッタも入れられる

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3. 見栄えは気にしなくていいが、「段落スタイル」はちゃんと設定する (見出し、中見出し、本文など)

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4. スマホで読むことを前提に、文字はおおきくしておく。本文は 18pt とかあってよい (プリントアウトしてもらう場合は、2面付けにしてもらう)

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見栄えの設定が面倒な人向けに、Pages のテンプレートを置いておく。

マッハ新書 テンプレート.pages (539KB)

作成が終わったら、EPUB 形式で書き出しをする。リフロー型のほうがユーザのデバイスにフィットするが、複数のデバイスで改行位置がいい塩梅かを確認する作業が発生して面倒なので、固定レイアウトにしてしまおう。大丈夫、18pt の文字サイズなのでスマホで問題なく読めるし、PCで読む場合は見開き表示でいい感じになる。

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あとは BOOTH に #マッハ新書 というタグをつけて出品し、TwitterFacebook で告知するだけだ。

 

まとめ

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